テラーノベル
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ヒナミ「少し、いいか?」
妃海に呼ばれ、僕はそちらへと目を向ける。
そこには、式典で呼ばれたメンバーか揃っていた。
ヒナミ「折角だ、少し話をしよう。」
ヤマ「改めて、俺は耶麻。元警察だ」
ヤマは少し暗い顔をして、
ヤマ「政府の闇を知ってここに来た。」
と言った。がすぐに笑顔に戻る。
ヤマ「みんなは俺をヤッさんとかヤマちゃんとか呼ぶ。まぁ、好きにして?」
自分「あぁ。よろしく、」
アキト「儂は彰仁。こんな老骨じゃがよろしく頼むぞ。」
ヒナミ「彰仁はチームでも屈指の実力者だ。」
アキト「過大評価ですよ、主君。」
その言葉の通り、老人の眼には歳に似つかわない光が宿っていた。
カエデ「私は、紹介は要らないわね?」
自分「あぁ。知ってるしな」
自分「逆に、僕の説明がいるんじゃないのか?」
ゴクリ、と全員が息を飲む。
自分「僕は、澪苑。」
自分「学園の元生徒でクラスはE、無能だ。」
自分「ここにいるのは都合が良いから。それだけだ。」
耶麻は頭を掻きながら言った。
ヤマ「無能?そんなんが隊長するんすかぁ?」
ヤマ「はっきり言うと足手まといなんすけ」
そいつがそれを言い終わるより先に、体が動いていた。
ヤマ「………、なんの真似?」
僕のナイフは、そいつの首元にあった。
皮が少し切れ、血が滲み出る。
自分「悪い、癖でな。」
ヤマ「面白い癖だな!」
耶麻の手が横切る。
その刹那、壁が抉れる。
破壊系のようだ。
殺すのは駄目だ。戦闘不能に、などと考えていると、
ヒナミ「やめろ、」
と声が響いた。
ヒナミ「それ以上するなら、私も混ざるが?」
ヤマ「やめてくれませんか。洒落になんねーんすわ。あんたは、」
どうやら、耶麻は止めるようだ。
ヒナミ「お前も、落ち着いてくれないか?」
自分「俺は落ち着いてるさ。」
自分「殺すつもりもない。ただ動けないようにはするつもりなんだが、」
妃海は困った顔をして呟く。
ヒナミ「時間もないんだ、やめてくれ。」
自分「まあ、いいが。」
ヒナミ「耶麻、これで文句は無いな?」
ヤマ「まぁ、実力は分かりましたよ。」
ヤマ「無能だとか言いながら並以上の強さ、文句は無いっすよ。」
すると、耶麻は手を出した。
ヤマ「改めて、よろしく。」
僕は、それを握って
自分「こちらこそ、よろしく頼む。」
と言った。
その後、特に何も無く。時間は過ぎた。
僕は部屋に戻っていた。
自分「……………、」
誰かいるな?
部屋に誰かがいる。
気配は隠しているようだが、隠しきれていない。
誰だろうか?
僕はナイフを構え、部屋に飛び込んだ。
ガバッっと何かが、いや誰かが飛びついてきた。
???「お兄ちゃん!!」
!お兄ちゃん、と呼ばれ僕は目を見開く。
なぜなら、そこに
そこに居たのは、
自分「……ミユ、ウ」
僕の、妹なのだから。
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