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自分「未夢?どうしてここにいるんだ。」
ミユウ「なんかねー、歩いてたらついた!」
自分「はぁ?」
と素っ頓狂な声をあげてしまった。
ここは森の奥の地下にある。たまたまで見つけられるとは思えない。
自分「本当にたまたまか?」
もしかして、何か裏があるのでは、
ミユウ「えへへ。本当はね、」
ミユウ「お兄ちゃんの気配がしたのです!」
はぁ?とまた、声をあげそうになった。
ミユウ「森で目が覚めてね、フラフラ歩いてたらね、お兄ちゃんの気配がしてね、」
ミユウ「そしたらここについたの。」
あまりにもおかしいが、子供だし覚えていないのかも知れない。あまり詮索しないでいいか。
自分「鍵が掛かっていたはずだが、」
ミユウ「うん、壊した!」
自分「どうやって?」
ミユウ「能力で!」
自分「っ!」
自分「なんで能力を使った!!」
僕は、物凄い剣幕で妹に近づく。
自分「お前、自分がどうなるか分かってるのか!」
未夢はオドオドとしている。
ミユウ「分からないよ。お兄ちゃん、なんでそんなに怒るの。」
自分「なんでって、」
と、そこで僕は気づく。
そのことに。
妹は無事だ、身体もある。
どうなっている?なぜ?
自分「いや、悪かった。勘違いだ。」
ミユウ「お兄ちゃん、間違えたのぉ。」
自分「いや、悪かったって。」
そんなこんなで、未夢と話すのだった。
おかしい、何故だ?なぜ、何も無い。
もし、こいつが本当に妹なら、僕は
僕は、また
繰り返すのか?
僕は食堂に来ていた。
理由はもちろん、僕と妹の食事だ。
???「珍しいな。」
???「ここで食べないのか?」
と、話しかけられた。
自分「気分だ、悪いか?」
ヒナミ「いや?悪くないが、」
ヒナミ「気分、ではないだろう?」
こいつは、知っているのか?
ヒナミ「皿が2人分だ、それに、お前の部屋に子供が入るのを見ている。」
ヒナミ「そいつと食べるのか?」
どうやら、知っているらしい。
自分「そうだ、だが、別にいいだろう?」
ヒナミ「無論構わない。しかし、あの子がもし、危険だったら私は倒さねばならない。」
そう言われて、俺の手は動いていた。
ヒナミ「なんの真似だ?」
見ると、俺の手はナイフを握っていて、
その手は妃海の首元にあった。
自分「悪いが、妹の話はしないでくれるか?」
ヒナミ「なぜ?」
自分「僕は重度のシスコンなんだよ。」
自分「誰にも妹を見られたくない、言われたくない。」
ヒナミ「嫌われるぞ?」
自分「大丈夫だ。けど、」
自分「僕の部屋には入るな、妹に近づくな、」
自分「もし、破ったら、お前たちを殺す。」
ナイフを持った手を仕舞う。
ヒナミ「善処しよう。」
自分「そうしてくれると助かる、」
そう言って、僕は部屋に戻るのだった。
夜、僕と未夢は寝ていた。
未夢がベットで僕は床だ。
眠れるから問題無いのだが、未夢は嫌がっていたな。
目を開けると、そこには。
無機質な空間が広がっていた。
生体ポットが並んでいて、いくつも機械がある。
そして、声が響く。
???「おめでとう。」
???「あなたが二人目よ。」
2人目、そうだ、僕は2人目だ。
頭はそれを理解していた。
が、僕の身体はまるで操作されているかのように動く。
自分「2人目?どういうことだ」
???「そのままの意味よ。あなたは2人目の子。」
???「あなたには1人、姉がいるわ。」
???「そして他はみな、妹いいかしら?」
自分「構わない。」
???「それと、まだ、名乗ってなかったわね?」
そうして、そいつは言う、その名を。
「私は、一珠。あなたの親のようなものよ。」と
目を閉じた、その瞬間、場面が変わった。
部屋は荒れている。
無機質だった部屋には、沢山の子供が転がっている。
ボロボロだ、壊れている。
???「ごめん、ね」
声が聞こえる、
後ろを振り向くと、そこには。
???「助け…られなく、て、ごめんね」
姉が、いた。
紅く染まった白い肌に白い服。
涙を流しながら、言う。
「ごめんね」と。
僕はその言葉の意味がいまいち分からない。
何が、ゴメンなんだろう?
姉「ごめんね、辛い、だろうけど生き、て」
そう言って、姉はゆっくりと寝転がった。
???「お疲れ様、」
無情にも明るい声が響き渡る。
ヒトミ「これであなたは自由よ?」
ヒトミ「あなたはこれから、メアとして生きなさい。」
メア、姿を消した伝説の英雄。
ヒトミ「いいわね?澪苑。」
僕は、紅く染まった自分の手をみながら、
自分「あぁ。」
嫌だ、続きを見たくない、見せないでくれ。
だが、無情にも、身体は勝手に動く。
ヒトミ「まだ、それ生きてるわ。殺しなさい。」
僕の手は動く。
そこに寝そべっている姉へと、
手が、伸びる。
首へと手を回す。
見たくない。これを、もう、見たくない。
力を込める。
ギリギリと、音が鳴る。
見たくない、
見たくない、
見たくない、
見たくない、
見たくない、
見たくない、
見たくない。続きを見たくない。
やがて、ゴキっと、静かな部屋に鈍い音が響いた。
手から赤色が溢れる。
とめどなく流れる。
おかしな方向へ曲がった首から、
ドクドクと溢れる。
紅が、赤が、血が、液体が、ドクドクと溢れる
自分「ああぁぁぁぁぁ!」
と、声を上げながら僕は目覚めた。
部屋は暗い。
時計を見る、まだ夜のようだ。
グッショリと濡れている。
久しぶりに夢を見た。
あの夢を。
もう、見るとは思っていなかった。
なのに、
僕は、昂った心を落ち着かせるために、外へと行くのだった。