「あ!、今出てきましたよ、界乃…さん?」
誰もいない
「は…?」
遠くから声がした
「よぉ、前はよくもやってくれたなァ?」
「!?なんだ」
「覚えてねぇか?死にかけたのに…」
そこに現れたのは、坂田だった
「てめぇのせいで、身体中が痛てぇ、
だけどな、先輩はひでぇから。
こうやってお前を殺しに来たんだ」
なんだ、なんだ!?なんで皆いない!?
こいつの能力か?
「…俺の質問に答えろ、トラックに爆弾を
仕掛けたのはお前か?」
「まぁ、そうだが」
「…そうか」
ガコ!
瞬間、坂田の指から小さい何かが、
とんでもない速さで俺の頬を掠めた
「おいおい、随分と貧弱だなぁ、俺を
こんな状態にした馬鹿だから、もっと苦しい思いをさせてやろうと思ったが、時間の
無駄だからな、今殺してやるよ」
坂田は、懐から拳銃を取り出した
「じゃーな」
俺は、目を瞑った
次の瞬間
パンッ!!
乾いた破裂音がした
俺はもう死んだと思った、だけど
そう簡単に死ねないようだ
俺の前に、黒い何かがある
すごい安心感だ、誰の能力だ?
誰が、俺を守ってくれたんだろうか
「てめぇ…まじか」
坂田は、驚愕した
黒い人間状の何か、影のようなものが
銃弾を掴んでいる
パンッ…パンッ…パンッ…
3発打っても無駄だった、ソレは
俺にとって、守護神のような感覚だ
「最高出力で行こうか」
坂田は、指からさっきと同じ、小さい何か
を飛ばした、だが
さっきと明らかに速さが違う、目で追えない
パァンッ!!
それは俺を守る影の手を突き破り、俺の
脇腹を貫通した
「がっ….」
俺は負傷部を抑え、倒れた
「ぐぉ…クソが」
さっきの攻撃と同じように、黒い影は
頭と腹を撃ち抜かれ、消えてしまった
「さぁ、興味深いのも見れたし、
もういい、死ねよ」
その瞬間
頭がぐわん、とした感覚に襲われ、
意識を失った
…
「鰄郎さん、今から病院に行きます
今すぐABチームを1箇所に集めてください」
中原は、スマホを通して必死に
説明した
「何があった、中原」
「危険な組織が動いてますよ、さっき
訪問した家で奇襲をかまされました、
とにかく、気をつけて」
…
「咲香乃くん」
「どうした、中原からだろ?」
「あぁ、全員を集結させろ」
「は!」
「あ、大丈夫か!?治くん!」
俺は、急いで自分の脇腹を確認した
やっぱり負傷している、でも、ちゃんと
止血されている
「ここは、病院か…そういえば、調査は」
「あぁ、調査なら一時停止になったよ、
何故か危険ででかい組織が動いていたから
ね。」
ガラ..
ドアの方向を見ると、鰄郎さんがいた
「大丈夫かい?治くん」
「あぁ、はい、鰄郎さん、この傷は」
この傷について、説明しようとした
「いや、わかっている、坂田だろう?」
「分かるんですか?」
「分かるさ、この傷のえぐれようだとかを
見ていたらね」
正直、俺は坂田という人間を知らなかった
「あいつの能力はね、螺旋状の小さな
針を高速で飛ばすこと、最高出力は約
8万キロだ」
「想像出来ないんですけど…」
「とにかくすごいんだよ、まぁ、Bチームは
中原くんが目撃者の家を尋ねたところ、
刺されて病院送りだ、あそこであの組織
が動いていることに気づかなかったのなら
、可能道力組織は終わっていただろうね」
「あの組織って、クロネアのことですか?」
「いや、まぁ、この話はまた今度にしよう」
それから1週間後、俺は人気の少ない
路上にいた
あの日、坂田が銃で撃った弾丸を止めたのは、
あの影だ
俺はどうにかしてあの影をもう一度
出そうと努力した
すると!!
シュルル…
「おー!」
意外と、色んな形にできて楽しい
「あれれー?治くん、なにしてるのかなー?」
「うげ!鰄郎さん?」
「うげってなんだよ!何してたの?」
「えと、まぁ、能力の練習…みたいな」
「え?」
「俺を信用して、話してごらんよ」
鰄郎さんは、今までになく信用出来る
人だ、話しても、いいよな
「実は、坂田との戦闘の時、僕の前に
黒い影が現れたんです、俺はそれを能力
だと思って、今日この路上で試してたん
です」
「なるほどね、まぁ、深くは聞かないさ
その能力を上手く使ってやりなさい」
「分かりました」
会話の後、鰄郎はどこかへ行ってしまった
「さっきの治くんの能力、保存が
できない、何故だ?」
鰄郎は、その能力を悪用しようと、
保存しようとしたのではない
その能力について、違和感を感じていたから
だ
「何者なんだ、治くんは」
5時間後…
「鰄郎さん」
事務所で作業をしている鰄郎さんに、
話しかけた
「どうしたの?治くん」
「さっきの能力、結構使えるようになったんで、見て貰えません?」
鰄郎は、大した作業をしていなかったため、
了承した
再び、あの人目のない路上についた
ザザ..”
「…これは」
鰄郎は、その治の応用力に
圧倒された
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