🖤side
💙「どうしてこんなに優しくしてくれるの?」
家に呼び、ビールをご馳走したら、赤い顔をしたしょっぴーが俺に言った。
酔うのが随分早いなと思って手元を見る。
グラスの中のビールはほとんど減っていなかった。
しょっぴーは酔ってなどいない。
赤い顔は、照れて赤くなっただけだった。
🖤「しょっぴーのことが、好きだからだよ」
俺は飾らずまっすぐに言った。
しょっぴーは嬉しいような、少し困ったような顔をして、俺を見た。
💙「ちょっと前に、俺の人生に信じられないようなことが起きて、俺は他人の言葉を素直に信じられなくなっている」
沈鬱な顔で語る俺の愛する人は、手の中でグラスを弄び、そう言うと少し黙った。
俺は口を挟まずに次の言葉を待った。
しょっぴーはそれでもめめのことは信じてみたい、と呟いた。
力のない、ほとんど聞こえるか聞こえないかのようなか細い声だった。
🖤「信じてほしい、俺のこと」
💙「信じたい、めめのこと」
しょっぴーはじっと俺を見つめた。
俺はしょっぴーに口付けした。
しょっぴーは驚かなかった。
嫌がりもしなかった。
ただ、涙を一筋流して、それから静かに啜り泣いた。
💙「これでめめに嫌われたら、もう生きていかれないかもしれない」
しょっぴーはそう言い、
💙「やっぱりやめよう」
と言った。
冗談じゃない。
念願成就がすぐそこまで来ているのに、諦められるか。
俺はしょっぴーを抱きしめた。
💙「めめ?」
🖤「俺を好きに、なって?」
はらはらと、しょっぴーの目から大粒の涙が零れる。
💙「やだ。やっぱり怖い……」
そう言うと、しょっぴーは俺の腕の中をすり抜け、そのまま家に帰って行ってしまった。
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