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今日もまた息苦しい程の緊迫感と生死の狭間が迫り来る恐怖一面に支配されている警備室へ……。死と隣り合わせの警備、怯えるくらいに植え付けられた悪夢のトラウマで喪失状態のルディックだが、自らが背負う使命を背負って喰らいつくように立ち向かう。
「午後十一時、あと一時間で警備が始まる……」
「ルディック、大丈夫……?」
「まあ何とか、だけど……やらなきゃいけないんだ」
それからやってきた警備の時間、0時になった瞬間機械人形の挙動が一気に制御不能の暴走モード状態になった。
「定時になった途端、急変してる。一気に追い詰められた気分だ」
ルディックがそうぼやいていると一瞬で監視モニターの映像が全て砂嵐に、機械人形達の姿が全く捉えられない事態に。
「おかしい、やっぱり誰かが意図的にこの店舗内のシステムを操作して機械人形を改竄したんだ」
「うん、それで間違い無いだろうね。機械人形達……以前よりも凶暴的になってるし、システムも異常……明らかに警備員を始末しようとしているように感じる……」
ただでさえ、機械人形達の暴走に混乱しているのに、そんな彼を更に追い詰めるように悪夢のトラウマが過ぎる。
「っ………!、また……っ、こんな時にっ……」
「悪夢が君を蝕んでる、絶対にナイトメア達の声に耳を貸さないで。君の体に憑依して機械人形のガワの中に取り込もうとしてるに違いない」
「っ…………、怖い、怖い……っ!近寄ってくるな……!! 」
ルディックは悪夢に怯え、ガクッと崩れ落ちるように膝をついた。寝ている時だけではなくまさか警備中にも絡みついてくる悪夢のトラウマ。
ルディックの身体に憑依する為に、先ずは彼の心身を脆弱化させ、抗えないようにする……そんな事 を機械人形達は考えているのかもしれない。
「ルディック、大丈夫……?警備続けられる……?」
「…………分からない、だけど……けど俺はお前の仇を取るって約束したんだ、悪夢なんかに怖気付いてちゃ駄目だよな……」
悪夢が襲いかかる中、悶絶しながら警備する事に決め、慎重に警備に挑む。
タタタタッ、ドン!ドンッ……!、タタタタッ…‥。
機械人形達は徘徊し、警備室前まで接近しドアを叩いたり、徘徊を繰り返し続け、監視カメラやドアライトでは視認出来ない死角となる場所で居座っている、ドアを叩かれる事で電力はあっという間に削られていく事態に。
「何処にも機械人形が映ってない、まさか……もう警備室前まで迫ってるのか……!!?」
「やっぱり機械人形達、皆んな……ルディックを殺そうとしてるように感じる、執着心を感じるの、悪夢からも、そして現実からも」
このままでは本格的にまずい……、夢の中でも抹殺されようとしているのん、それが正夢となり現実に。しかし、何度も言っているようにこんなところで殺される訳にはいかない。果たすべき【復讐】はまだ終わっていない。
「ドアライトも監視モニターもまるで意味を成さなくなってる」
ドンッ…!!!、ドンッ……!!
警備室前のドアが激しく無数の機械人形達によって叩かれている。開けろと言わんばかりの執念を感じ取れる。執拗に警備室前のドアに居続け、電力が切れる瞬間をじっと待っている様子。
更に、またしても電力が切れる前に監視モニターの映像はどれも砂嵐状態、そしてバンっ……!!と大きな音が鳴り、電力が強制的に落とされ、停電状態になった。
ただでさえ、異様な雰囲気で不気味な廃墟の店舗の内部構造なのに加え、不祥事や事件が相次いだ曰くの店……一歩間違えれば、即死とも言える程に危険極まりないこの場所。そんな中で停電状態に曝されてしまうのだから、怯え震えるのも当然のこと。
「うっ………、悪夢のトラウマがまた邪魔してくる……生き延びたい、まだ死にたくないっ……!」
脳裏に過り、トラウマとなって記憶の中にまで侵食を進めるナイトメア達に脅かされながらもこの夜間警備勤務で身についてきた忍耐力とユリメアがあの世から甦って現世に帰ってきてくれた事で持つようになれた自信と精神力、これらのお陰で何とか心が折れずに持ち堪えられている。
「ルディック、君なら絶対に全てをやり遂げられるよ。けど、命の危険が差し迫ってきたら逃げるのも生き延びる手段の一つだよ」
「ああ、分かってる。俺まで死んだらお前の事も、そしてこれまで犠牲になった幼い子供達に申し訳がつかない、だから生き続けるよ」
「それだけ勇気を取り戻せたら大丈夫だね、さあ一緒に乗り越えよう」
とそんな事を話している悠長な時間はない、今は目の前の警備に集中しなければ。一瞬でも油断と隙が出来てしまうと、命取りも同然。
真っ暗に停電した暗闇に支配された不気味な空間の中、迫り来る機械人形達。此処は一先ず、何時ものように、【死んだフリ】をしよう。そもそも、前提として停電前から既に照明の灯りは薄暗くて心許ないのに、それが停電してしまえば一面闇に覆われる。
「どうする………、こんなの、警備なんてとても言い難い、どうすれば……」
何としてでも、定時である午前6時を迎えられさえすれば、安堵……それまで暗闇の中で警備をこなしていくしかない。
バリケードの役割を担っている厳重なドアも停電状態になった事で無防備で、まともに機能しない。こんなジリ貧の中でどう対処しよう。
「何処かに隠れて時間を稼ごう、あの機械人形に察知されて見つかってしまう前に気配を消しながら動くんだよ 」
「あ、ああ、そうしてみよう……」
生死の瀬戸際に迫りゆくこの瞬間、停電になりこの部屋は真っ暗な暗闇に支配された警備室の中で死の恐怖に怯え震えながら難を逃れる、彼が隠れた先は監視モニター前の椅子の下。
その場所で死んだフリをしつつ、やり過ごす。停電で落とされた電力は脆弱過ぎて復旧するにしても相当な時間がかかる。
ただ、肝心なのはこの警備時間を定時の午前6時まで乗り越えられさえすれば良い、暴走状態なのも稼働システムも、何れにしても異様な動きをするのは異常事態である事に変わりはないが、これはどれも深夜帯に起きている。
つまり、朝方になればこの事態は収束へと向かうだろう、そう踏んだ二人は決死の覚悟で残りの警備時間を乗り切る。
「暗い…………、懐中電灯さえあれば何とか乗り越えられるけど、今は……まるで盲目になったみたいに暗過ぎて何も見えない」
「大丈夫、君なら乗り越えられる……自分を信じて。それに凶暴モードの状態は夜だけに生じている異常状態だと思うから、朝になればきっと平気になるよ……!」
そう信じて、二人は生命の危機に直面し恐怖に怯える中、機械人形達との攻防に向き合う。警備時間から数時間が経ち、午前4時………午前5時と時間は進み、そしてやっと辿り着いた定時の時間、静寂と真っ暗な空間にチャイムが鳴り響く。
「はあ……はあ……、やっと乗り切った」
「ルディック、早く帰って体を休ませよう?また悪夢に襲われて眠れないかもしれないけど……」
「あ、ああ」
そしてルディックとユリメアは何とか恐怖心が絶頂、警備を無事乗り越え、夜間勤務を果たし帰宅した。
家に帰宅すると、扉前に何やら一枚の紙が落ちていた。
「な、なんだ……これ」
ルディックは怯えながらも、落ちていた一枚の紙を拾った。其処には、【明日からは自宅警備】の文言。
「自宅警備って……、え………どういう事だ、クビの通達か……?」
「あり得ない、もし解雇通知だとしてもタイミングがおかしいよ、彼奴やっぱり私達の事監視してるのかも、益々君の事を追い詰め、追い込もうとしてるんじゃないかな 」
「…………」
そうなれば、つまり明日から以降機械人形達はあの店舗ではなくこの家に徘徊する事になる。逃げ道も、ましてや襲撃を防ぐ為の手段もない。
懐中電灯や見渡せる範囲はクローゼットや自室前のドア、更にはベッドの下、これまでの環境とは一目瞭然に違い、自宅でも恐怖心に曝されてしまう事になったのだ。
「けど、何で急にこんな事に……俺はあの店舗の夜間警備員として雇われたんじゃないのか、それに彼奴への接触もこれじゃ出来ないじゃないか」
「もしかしたら、あの男の策略なのかもね、悪夢の中に生じる機械人形を手繰り寄せる事によって自分の野望を邪魔されないように、阻止してる」
「つまりは仕組まれた宣告だったって訳か、くそっ……!!」
感情が混乱するが、取り敢えず中に入り休息を取る。そしてルディックは直様寝室へ向かい、ベッドに寝転がる。
だけど、就寝し夢の中に眠りついた瞬間悪夢が襲いかかって来て彼を悪夢の地獄へ苛ませる。
「うう……………………うう…………」
悪夢に魘され、夢の中にまで侵食してくる機械人形によって彼の精神は徐々に弱められている。警備員である以上、機械人形達から魅入られて目をつけられる事は回避出来ない。
機械人形達はどんな手段を使ってでも彼にガワを被せ、仲間入りさせようとしてくる。更には、ウィリアム・アフトンの手によって制御不能の暴走状態な殺戮システムまでプログラムされ、完全に殺戮用の機械人形と化しており、明らかに警備員にでさえも明確な殺意を持っている、それは現実でも夢の中でも……。