バタンッ_
足に振動がくる
足元にはうつ伏せで倒れたショッピがいた
彼は声を荒らげてしゃがみこむ
ci「ウソやろ_そんな、ナッなんでやアアッッ」グスッ
体を揺らしても全く力が入っていない体。まるで倒れた瞬間人形になったかのようだ
そんな姿を見たチーノは無理やりにでも起こそうと全力でショッピの体を揺らす
私たちにも彼の心臓の音が聞こえてくるくらいに息が上がっていた
や、これは私の心臓の音だ
また恐怖で体が動かなくなっているんや…
sha「お、俺が顔をこの刀で、切っちゃったから…」カタ カタッ
ci「ちゃうやろ…紅がやったんやろ…こんなクソみてぇな事するやつなんて紅しかおらんやろッ」
気づけば冷静さを失ってしまっている様だ
言葉の一つ一つが小刻みに震えている。
まるで昔の自分を見ているよう…
え、
そんな自分知らない
これは誰の記憶だ…?
チーノくんの冷静とはかけ離れた怒鳴り声で我に返る
今は自分のことより、しょっぴくんが優先や
私はショッピくんの首元に触れた
em「脈は残ってる…大丈夫や、まだ生きてる」
ci「…ほ、ほんま?」
em「ほんまやで、2人とも1回深呼吸しようや 冷静にならんとちょっと前の私みたいに迷惑かけちゃいますよ」
sha「せ、せやな!すぅぅぅはぁぁ…よし!」
ci「スゥゥぅぅはあああああ…すまんなえみさん、生存確認もしないで怒鳴り散らかして…」
em「そんな、怒鳴りたくなる気持ち めっちゃ分かります。私もなんでこんな冷静でいられてるのか謎なんですよ」
今の感情が 冷静 って言葉であっているのかも謎だ。あの時、昔の自分を見ているように感じた瞬間からもやもやが晴れていない
きっと自分はあの時思ったことを理解しようとしているんだ。
em「どーやって起こすか…簡単には起こせへんよな……」
ci「せやな…あの“クソ野郎”の事やから 交換条件とか 人質 とか言ってきそーやな、、」
交換条件…
ci「今の僕ならこの刀で簡単に鬼を殺せると思うんよ」
そう言いながら床に置いてある刀をとる
刃に着いた血がチーノくんの手をつたってく
その姿は今にでも私たちを殺そうとしてきそうな……
ci「僕、触法少年やから」
そう言って彼は笑った
触法少年。それは14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした子供を指す
私は彼がなんの罪を犯してしまったのかを聞かずとも分かってしまった
それくらい今の彼の姿に血が似合ってしまっている
sha「それがお前の“過去”か?」
ci「そーだよ」
きっと私たちが想像する何十倍も辛かっただろうに…そんな過去を使って紅は鬼にしようとした
そしてその過去にチーノくんは勝った
それもショッピくんを死なせたくないという思いから。
ci「もう誰も悲しませたくないんや」
鋭い瞳が自身の無力さを感じさせてくる
鬼にあっても逃げることしか出来ないし、腕も傷だらけになる
私は、みんなの役に立てているのでしょうか…
sha「なら、ショッピくんを起こすためにも作戦を立てへんとな!!」
ci「やっぱ片っ端から鬼を殺していくが1番やろ」
sha「いや、鬼を殺しちゃうとえみさんが…腕を切られてまうから…」
ci「え?」
そう言うと、目線が私の包帯まみれの腕に集中する
sha「多分やけど、、えみさんと鬼は連動してる」
ci「えぇ??!そんなことある?」
あぁ、また足を引っ張ってしまった
sha「それに刀で鬼を殺した瞬間お前はゲームクリアでここから出れてしまう。そんなことになったらショッピくんを救う事すら出来ひん」
ci「戦闘は避けるしかないんやな…」
em「いえ。避けなくても、鬼を銃で足止めすればええんやで」
sha「何言っとるんやッ今までそれで腕を切られてきてるやん!!」
em「大丈夫やから」
自分でもびっくりするくらい低い声が出た
場も一瞬で凍りつく
その時、二度と聞きたくない声が頭を伝る
紅『一時休戦しよーか』
ci「は?そんなんええからショッピを起こせや」
めっちゃ強引に休戦タイムになる
ci「逃げんなッ!!!オイッ!!!」
sha「落ち着け、…今のうちにショッピくんを安全なとこに持ってこうや」
ci「……せやな、俺がショッピをおぶるから道案内よろしく」
こうして私たちはきっと安全な寝室に向かった
ci「ふぅ…これでひとまずは安心やな…多分」
sha「正直疲れまくってたから休憩できて良かった…」ホッ
鬼におわれることがない空間に2人は力を抜いて休憩をしていた
その中で 銃弾はまだあること、ロウソクがそろそろなくなりそうであること、自分から見える鬼の姿など情報交換をしていく
話せば話すほどこの先が不安になっていった
こうして情報を交換しても 紅 の情報が何一つないからだ
そもそもここに来てから4日ぐらい経ったのにさっき初めて名前を知ったぐらいだ。
………
……………今の私たちにショッピくんを起こすことは絶対無理
でも、このゲームをクリアするためにはショッピくんが必要。
理由のひとつは戦闘力が足りなすぎるから。チーノくん曰く、ショッピくんはバカ強いらしい
そしてもうひとつは情報が欲しいから。紅のことを1番知っているのは彼しかいない
よって私たちが優先すべきことはショッピくんを起こすことだった
sha「…どーすればええんや…」
ci「無理ゲーすぎる」
空気は重く、皆諦めかけていた
ズキズキ…
今更 両腕が痛くなってきた
包帯が赤く染ってく…………??!!!
なぜッ???今は腕を動かしていない、血が出る要素がひとつもないやないかッ??!!!
急に傷口が開き始め、動揺が隠せない
包帯を付け替えんと…服に血が、、、
もし、これが2人に見られたら本格的に戦闘を避けての行動になるだろう。
そんなことになったらゲームすらクリア出来なくなってしまう…
もう、足を引っ張りたない
そう思った私は血を隠すようにこの部屋から出た
紅『やっと1人になってくれた』
em「まさか あなたが傷口を開いたんですか?」
姿の見えない相手に向かって睨みつける
紅『勘が鋭いね』
em「……要件はなんですか」
紅『交換条件をしないかい?』
続く
ここまで読んでくださりありがとうございます
お久しぶりです。気づいたら1ヶ月たっててビビりました
最近呪鬼の総集編が上がりましたね!びっくりしましたね!これは!期待しちゃうね!!!
てことで次回も首を長くしてお待ちください
誤字ってたら教えて欲しいです🙇♀️
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