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涼ちゃんは、机に向かって小さなメモ帳を開いた。
病気のことを知ってから、
“また今度”が当たり前じゃないと分かってしまったから。
ペンを握って、少し考える。
それから、ゆっくり書き始めた。
『3人でやりたいこと』
その文字の下に、
ぽつぽつと言葉が増えていく。
『遊園地行く』
『温泉旅行』
『夜中ドライブ』
『3人で花火』
『スタジオじゃなくて家でゆるく曲作る』
『元貴に奢ってもらう』
『若井とゲームして朝まで起きる』
書きながら、少し笑う。
どれも大きな夢じゃない。
でも、
涼ちゃんにとっては全部大事だった。
「……」
少しだけ手が止まる。
それから、また小さく書き足した。
『3人で長生き』
その文字を書いた瞬間だけ、
涼ちゃんの目が少し揺れる。
でもすぐに笑って、
「無理かぁ」
って小さく呟いた。
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