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「はじめまして、ジョー・アルヴィアン侯爵子息。この療の使用人のアッシュフォードです。」
建物の中から出てきたのがどうやらその使用人の1人で、『最近』新しく採用された使用人らしい。なるほどな。そういうことか。
「ジョー・アルヴィアンだ。どうも。」
「ところで、荷物が届いていますが、後でお届けしましょうか?」
「ああ、お願いする。」 そう言って俺は後ろのファレル先生の方向を向く。
「ではファレル先生、また講義でお会いしましょう。」
「ああ、楽しみにしているぞ。」ファレル先生はそう言って去っていく。まるで新しい玩具を買い与えられた子どものような表情だったな。
「こちらのお部屋です。」
「ありがとう。ところで、荷物はどこに保管されていて、いつ頃持ってきてもらうことができる?」
「すぐに持ってくることができます。もしご都合が悪くなければですが。」
「なら、すぐ持ってきてほしい。早い内に荷解きはしておきたいんだ。問題を先送りしたくない。」
「かしこまりました。すぐにお持ちします。」
「ありがとう、アッシュフォード。助かるよ。」
俺はそう返す。にこやかな笑顔もつけて。ジョー・アルヴィアンは誰よりも、好ましい人間を演じることに長ける人間で、もしそうでなければ、ここまで俺は来られなかったはずだ。