魔女の踊るべき場所は。２

翌日

『………』

空閑「どうしたシュナ？」

『ねぇ、本当に警戒区域に入っていいの？』

レ「大丈夫だ」

今は遊真が近界民（ネイバー）を倒したらしい場所へ来ている。

空閑「お、やっぱりいたな」

遊真はラッドを見つけるとすぐに処理した

『やっぱり原因はラッドだよね』

レ「ただし門（ゲート）発生装置を備えた改造型だな。」

『ラッドは見たことがあるけど、その改造型は見たことがない』

空閑「おれも見たことないな。レプリカは？」

レ「私も初めて確認したな」

『……そういえば行動プログラムを解析するとか言っていたけど、それはどうなの？』

レ「それなら先ほど解析が完了した」

『はや……さすがレプリカ』

レ「このラッドは＿＿」

要約するとバムスターから出てきていろんな人からトリオンを奪おう……的な感じらしい

『よく出来ている。けど、一体何の為に……』

空閑「ん？」

『どうしたの………っ！？』

三雲「空閑……！？朱南さん……！？」

そこにやってきたのは修くんと……

私があの時裏切ってしまった

弟子の迅悠一がいた。

『なんで……』

迅「おっ、やっぱり知り合い？」

空閑「おうオサム。………とどちらさま？」

迅「おれは迅悠一！よろしく〜！」

空閑「ふむ？そうか、あんたがウワサの迅さんか」

『ウワサ……？どこから聞いたの？』

空閑「む？オサムが迅さんって人がイレギュラー門（ゲート）の原因を探すって聞いたぞ」

『本当？修くん』

三雲「え、あ、はい…！」

迅「なんだなんだ〜そんなにして朱南はおれのことが気になるのか〜？」

『……勘違いしないて』

迅「………にしても、おまえちびっこいな！何歳だ？」

すると悠一が遊真の頭をわしゃわしゃと撫で回した

空閑「おれは空閑遊真。背は低いけど１５歳だよ」

迅「空閑遊真……遊真ね」

迅「……！おまえ、むこうの世界（・・・・・・）から来たのか？」

三雲「……！？」

『あ、』

空閑「！ｻﾞｯ」

早いな……

もう少しバレないと思っていたんだけど……

私といる時点で勘付かれるか

迅「いやいや待て待て。そういうあれじゃない！おまえを捕まえるつもりはない」

『そんなの簡単に信じる人なんてそうそういないっつーの』

迅「朱南はちょろいから信じると思うけどな」

『………』 ←自覚はある

迅「まぁ、おれはむこう（・・・）に何回か行ったことがあるし、近界民（ネイバー）にいいやつがいることも知ってるよ」

迅「ただおれの副作用（サイドエフェクト）がそう言ったから、ちょっと訊いてみただけだ」

空閑「ほう……？」

三雲「迅さんの副作用（サイドエフェクト）って……！？」

迅「おれには未来が見えるんだ。目の前の人間の少し先の未来が」

三雲「未来……！？」

迅「昨日基地でメガネくんを見たとき、今日この場所で誰かと会ってる映像が見えたんだ。」

修くん、昨日も悠一と会っていたんだ

迅「その「誰か」がイレギュラー門（ゲート）の話を教えてくれるっている未来のイメージだな」

迅「それがたぶん遊真（こいつ）と朱南のことだ」

『その副作用（サイドエフェクト）は知っている人なら「誰か」はわかるはず。………分かってて来てるんだね』

迅「分かってるじゃないか」

三雲「……ん？ってことは突き止めた！？原因を！？ 」

空閑「うん」

『原因はこいつだったよ』

三雲「……！？なんだこいつは……！？トリオン兵……！？」

レ「詳しくは私が説明しよう」

レ「はじめましてジン。私はレプリカ。ユーマのお目付役だ」

迅「おぉ、これはどうも。はじめまして」

レ「これは隠密偵察用の小型トリオン兵「ラッド」ただし門（ゲート）発生装置を＿＿」

三雲「じゃあつまりそのラッドを全部倒せば……」

空閑「いや〜きついと思うぞ」

『数がね……』

レ「ラッドは攻撃力を持たないいわゆる雑魚だが、その数は膨大だ。」

レ「今探知できるだけでも数千体が街に潜伏している」

三雲「数千……！」

空閑「全部殺そうと思ったら何十日もかかりそうだな」

『小さいし散らばってるし倒すのもめんどくさいんだよこれ』

迅「いや、めちゃくちゃ助かった」

迅「こっからはボーダーの仕事だな」

『………？』

ラッドの一斉駆除はC級？隊員も動員して昼夜を徹して行われていった

レ「反応はすべて消えた。ラッドはこれで最後のはずだ」

迅「よーし作戦完了だ。みんなよくやってくれた、おつかれさん！」

三雲「これでもうイレギュラー門（ゲート）は開かないんですよね？」

迅「うん。今日からまた平常運転だ。……くぁ〜…」

なんか眠そう……？

三雲「よかった……」

『けど、ホントに間に合うなんて……』

空閑「やっぱ数の力は偉大だな」

迅「何言ってんだ」

迅「間に合ったのはおまえたちのおかげだよ」

迅「２人がボーダー隊員じゃないのが残念だ。表彰もののお手柄だぞ」

空閑「ほう。じゃあその手柄はオサムにツケといてよ。そのうち返してもらうから」

『あ！それいいじゃん……！そうしよ』

三雲「……え？」

迅「あーそれいいかもな。メガネくんの手柄にすればクビ取り消しとB級昇格はまちがいない」

……え修くんクビになってたの

三雲「ま、待ってください！ぼくほとんど何もしてないですよ！？」

迅「メガネくんがいなかったら遊真や朱南たちに会えてないし、地味に重要人物なんじゃない？」

三雲「そんな無理やりな……それに迅さんと朱南さんは知り合いですよね……？ぼくがいなくても………」

迅「それはないでしょ〜」

『ありえない。ないね』

三雲「えぇ〜……」

空閑「いいじゃんもらっとけよ。おれらの手柄がナシになっちゃうじゃん」

『そうだよ』

三雲「……」

修くんは何がそんなに嫌なんだろう……

迅「B級に上がれば正隊員だ。基地の外で戦っても怒られないし」

三雲「……」

迅「トリガーも戦闘用のが使える。おれの経験から言って……」

迅「パワーアップはできるときにしとかないと、いざって時に後悔するぞ？」

パワーアップ……いざって時……

迅「それに確かメガネくんは助けたい子がいるからボーダーに入ったんじゃなかったっけ？」

三雲「……！」

空閑「……ふむ？」

『……？』

助けたい子………？