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#普通
野々さくら
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ありあ
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信愛は二人へ静かに語り始めた。
偽心霊スポットをキッカケとした佳苗との出会い。
除霊の際、自身が目にした魂に刻まれた記憶。
それを見たことで、自分と佳苗が魂で結ばれ、いわゆるソウルメイトとなったという事実。
それより佳苗は、半霊半人となり、あの世とこの世を自由に行き来できてしまう特異な存在になった事。
全てを包み隠さずに話した。
美月は腕を組みながら小さく首を傾げる。
「白縫さんとこの佳苗ちゃんがソウルメイト・・・」
朝陽も苦笑いを浮かべた。
「なんか漫画みたいな話ですね・・」
信愛はその反応を予想していたかのように穏やかに微笑む。
「信じれないかもしれないけど、真実なんです」
しばらく考え込んでいた美月は、小さく息をついた。
「まあ、とりあえずは分かったわ」
だが、すぐに新たな疑問を口にする。
「けど、この佳苗ちゃんが『虎の子』
っていうのはどういう意味なの?」
信愛は佳苗へ優しい視線を向けた。
「佳苗は霊感が無い人でも、こうして目視できてます」
そして自分自身を思い返すように続ける。
「私でも最初は気づかなかったくらいですから」
少し間を置き、真剣な表情になる。
「ですが霊感があって霊視が出来る人なら
ちゃんと視れば佳苗が霊だって気づくはずです」
静かに微笑んだ。
「私がそうだったみたいに」
美月は納得したように頷く。
「なるほど・・・」
そして何かを思いついたように目を見開く。
「佳苗ちゃんを霊だと認識できないなら
霊貴冥孤は詐欺師って事になるわけね?」
信愛は力強く頷いた。
「そうです」
その時、それまで黙って聞いていた茜が口を開いた。
「で、どうする?美月ちゃん」
美月はきょとんと目を瞬かせる。
「え?」
茜は苦笑しながら肩をすくめた。
「え?じゃなくて霊貴冥孤の事だよ」
続けて信愛と朝陽を見つめる。
「信愛と朝陽くんが居れば霊貴冥孤の悪事を暴けるよ?」
美月は黙り込み、俯いた。
教師として、生徒を危険へ巻き込むことへの葛藤が胸を締めつける。
やがて重い口を開いた。
「担任として教え子を詐欺に巻き込めない」
その声は苦しげだった。
「それに貴方達の身に、もしもの事が
あったらご両親に合わせる顔がない」
「美月ちゃん・・・」
茜が心配そうに声を掛ける。
美月は唇を噛み締めながらも、ゆっくりと顔を上げた。
「でももし、本当に霊貴冥孤の悪事を暴けるなら」
決意を固めるように一人ひとりの顔を見る。
「累を救うだけじゃなくて、こうしてる今も
霊貴冥孤に騙されてる人を救えるかもしれない」
部室に静寂が流れる。
美月は深く息を吸い込み、皆を見渡した。
「みんな・・・」
その声には教師としての迷いと、一人の人間としての覚悟が滲んでいた。
「教え子にこんなお願いするなんて
教師失格かもしれない」
両手をぎゅっと握り締める。
「でも・・もう・・頼れる人が居ない・・・」
ゆっくりと頭を下げた。
「私に力を貸して欲しい」
さらに深く頭を垂れる。
「霊貴冥孤の化けの皮を剥がして」
その声は震えていた。
「お願い!」
誰もすぐには言葉を返さなかった。
その静寂を破ったのは信愛だった。
「頭あげてくださいよ」
続いて茜が笑顔で言う。
「そうだよ、美月ちゃん」
さくらも優しく微笑んだ。
「美月ちゃんには、いつもお世話になってるし♬」
最後に焔垂が静かに頷く。
「こういう時の動いてこその怪異探求倶楽部です」
「ありがとう・・みんな」
美月は深々と頭を下げる。
コメント
1件
ああ、もうこのシーン、胸が熱くなりました…!美月先生が教師としての責任と、騙されている人を救いたい気持ちの間で葛藤しながらも、頭を下げて「お願い」って言うところ、本当にぐっときました。それに信愛さんたちが迷いなく「動いてこその怪異探求倶楽部です」って返す流れが、これまでの積み重ねを感じさせて素敵でした。美月先生の震える声が目に浮かぶようで、思わず応援したくなりました。×××さん、今回もグッとくる場面をありがとうございます🌷