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???視点
“幹部様の前でゆう様の話は禁止“
これが俺らの中での暗黙の了解
俺は,これが何故なのか知りたかった。
ゆう様と言うのは,wrwrd国の女幹部
頭脳明晰で戦いが苦手
一般寮に来ては,毎回何かしら手伝ってくれて聞き上手
よく言えば「優しい」
悪く言えば「従順」
そんなイメージだった。
他の幹部様と話している姿は愚か
一緒にいる姿も見たことがない。
いつも1人だった。
俺は知りたかった,解りたかった。
俺の尊敬している人がどんな目に遭っているのか
“幹部になれば,何かわかるかもしれない“
そう思って,血の滲むような努力をした。
主席になって,実力も勉強も
誰よりも人一倍頑張った。
そう,頑張った。
そして俺は,
幹部になった。
俺は,ゆう様を…
“好きな人”を,助けたかっただけなのに
kn「チーノ,あいつには関わらん方がええで」
『な,なんで…っすか?』
kn「実力もない,結果もない。“無能“やからや」
『…無能,ですか』
『でも,先輩ですし!挨拶しておいた方が』
zm「あいつは先輩や,なんなら俺やコネシマよりもずっと前からこの城におった」
じゃあ,なんで…
「それは,圧倒的に俺らよりも何もできないからな」
「言うならば,時間の無駄。お前も,話してみたらわかるで。
楽しくも,面白くもない。パッとしないクソみたいな印象で気持ち悪いんよ,
最初は『科学の力が…』とか言ったったけど,別にすごい事やないし。」
先輩は,あの人を貶して行った。
多分,苦しかっただろうな。
『…そうっすか,でも一応先輩ですし,
挨拶だけでもしてきます』
kn「健気やなぁ,」
ci視点-終了
「夜」だけど,眠くはない
先ほど飲んだコーヒーが原因なのか
星が眩しいからか
理由はわからない。
でも,眠れない
コンコン,とノック音が部屋に響く。
いつもはドアを蹴り飛ばしてくるのに,
珍しいな。と思いつつ,ドアを開ける
『すみません,夜分遅くに…どうかされましたか?』
ci「俺です,チーノです」
丁寧な言葉遣い,
チーノ…覚えてない名前,だな
ci「こちらこそ,夜遅くにすみません。ご挨拶をと思い来ました。」
真面目でいい子だな,と思った。
でも,こんな子もいずれは私を捨てていく。
『ごめんなさい、体調がすぐれなくて…
また今度でもよろしいですか?』
私から,突き放そう。
ci「ダメです」
『…ぇ,』
ぎゅっ,と優しく包み込まれた。
これはきっと,彼に
“抱きしめられている“のだろう。
『ちょ,ちょっと…!』
ci「俺,先輩とお話がしたいです」