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チーノ,と言っただろうか
彼は私の部屋に“無断で“上がっては
私のベットにうずくまって,匂いを嗅いでいる
正直言って…
『キモい』
ci「ありがとうございますッ!」
夜だから,大声やめて,と注意すると
小さく頷いた。
なんだか,弟ができたみたいな気分になった。
『チーノ君,私に関わらない方がいいよ』
ci「なんでですか?」
『私は,他の人たちによく思われてないから
関わったりしても,なんの意味もない。』
私はそう言い放った。
はずなのに
ci「俺は損得感情無しで,幹部とか言う肩書や立場をないものにして,貴方に関わりたいと思いました。」
「俺は」
「貴方の人間性に惹かれて,ここへ来ました」
…嬉しい,そう思ったはずなのに
私の心は,何も埋まらなかった。
『…そっか』
『でも,昼間とかはあんまり私と話さないで欲しいな。お互いに忙しいし』
ci「じゃあ,また明日!夜にきますね!」
本当に,前向きな子だ。
『うん,待ってる』
ci「…ッ,」
ci「じゃッ,じゃあ“また“!」
『うん,
“ばいばい“』
それから毎日,チーノ君がくるようになった。
最初は世間話で終わってたのに,日が経つにつれてお菓子や飲み物
そして,書類を持ってくるようになった。
『そこは,色つけて分かりやすくした方がいいと思う』
ci「確かに,!ありがとうございます!」
いえいえ,と満更でもない笑みで返す。
『書類なんて,したことないな』
ci「そうなんですか?」
『手伝いたいとは思うんだけど,任されないんだよね』
はぇ〜,と軽く返される。
ci「よければ手伝ってもらえますか?」
『いいの?』
と聞くと、はい!と二つ返事で許可された
そして、手元にある自身の書類を私に渡す。
ci「また明日来ますんで,終わったら俺に渡してください!」
『…ぁ,あのさ!』
『ありがとう!』
私はそう,満面の笑みで返した。
ci「かーわいっ」
チーノも,ニヤリと笑って返した。
全身が熱を帯びる感覚
多分,今の私の顔は真っ赤だろう。
『ず,ずるいッ!』
次の日,私は森へ出かけていた。
またらっだぁさんに会えないか
それだけを考えて,足を動かしていた。
『…やっぱり,いないよね』
朝早い,この前会った時と同じ時間
出会えなかった。
あの事から,1ヶ月近く経っているし
相手も忘れているかもしれない。
『…もう,出会えないのかな』
マイナスな事を考えると,涙が出る
一度なくと,涙は止まらない。
声も出さず,ずっと静かに泣いていた
森に,私の鼻を啜る音だけが響く。
「久々の再会は笑顔が良かったなぁ」
『…ぇ,』
rd「久しぶり,“ゆうさん“」
私の振り返った先にいたのは,紛れもない
私のずっと探し求めた相手
らっだぁさんだった。