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カフェを出た途端空が曇り、ポツリ・・・ポツリ・・・と大きな雨粒が歩道に点々と染みを作る
「傘を持っていないわ!でも家はもうすぐそこよ!」
晴美ちゃんが言う
「どうする?走る?」
また晴美ちゃんがケラケラ笑った
「真面目に言っているの? 私達!走れるような状態じゃないけど」
「それじゃあ、よたよた進みましょう!」
雨が激しくなってきたので、晴美ちゃんはジムバッグで頭を覆い走るというより早歩きをしている
モールの入り口で 買い物客達が雨宿りをし、傘を広げる
「どうする?私達も雨宿りする?」
あたしは大声で言う
「そんなに遠くないのよ!実はこのモールの裏なの!」
水しぶきをあげながら、晴美ちゃんは笑いながら小走りにあたしの前を行く
あんまり速く走ったら、お腹がずれるのであたしは必死に妊婦偽装ベルトのマジックテープを掴んで後に続いた
あたしが着いたときには、彼女はすでに玄関の鍵を開け、靴を脱ぎ捨ててドカドカ廊下を渡ってリビングに歩いて行った
あたしは思わず興奮して心臓がドキドキしていた。まるで敵国の懐に飛び込んだ将軍の気分だ
じっとそこに立ち尽くして玄関を見渡してみる・・・・憧れの晴美ちゃんの家だインスタでずっと見てた
玄関一杯に靴は脱ぎ散らかされていた、早く入ってこいと晴美ちゃんがリビングであたしを呼ぶ
「・・・お邪魔します・・・・」
間取りは完璧に把握している、主寝室は二階にあって隣の素敵な公園が見渡せる
そして晴美ちゃんがいるリビングに入って行く