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榎本くもり
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第四話「動き出す影」
地獄。
広い修練場。
古流斬は神城怜の前に立っていた。
「まず確認する。」
「お前は能力に頼りすぎだ。」
神城怜は頷く。
「はい……。」
古流斬は木刀を一本投げる。
「能力は禁止。」
「剣だけで来い。」
「えっ!?」
「能力なしですか!?」
古流斬は真剣な表情になる。
「能力が使えない状況はいくらでもある。」
「その時どうする。」
「戦えなきゃ意味がない。」
神城怜は木刀を握った。
「お願いします!」
次の瞬間。
ガキン!!
一撃。
神城怜の木刀が吹き飛ぶ。
「速っ……。」
古流斬は木刀を肩に担ぐ。
「もう一回。」
「立て。」
神城怜は汗を流しながら立ち上がる。
(全然見えない……。)
⸻
一方その頃。
閻魔の執務室。
閻魔が資料を見ていた。
その時。
扉が開く。
傲慢だった。
「呼んだか。」
閻魔は頷く。
「最近妙じゃ。」
「何者かが世界を動かそうとしておる。」
傲慢は腕を組む。
「古流斬には?」
「まだ言っておらん。」
「修行に集中させたい。」
傲慢は静かに笑う。
「まあいい。」
「だが嫌な予感がする。」
⸻
その頃。
誰も知らない巨大な地下施設。
六人の人物が円卓に座る。
「報告。」
「対象・古流斬。」
「神城怜の育成を開始。」
一人が静かに言う。
「予定通り。」
別の人物。
「監視は続行。」
中央に座る人物は静かに立ち上がる。
顔は暗闇で見えない。
「まだ動くな。」
「今は時ではない。」
その言葉だけが響く。
六人は静かに頷いた。
⸻
再び地獄。
神城怜は何度も立ち上がっていた。
十回。
二十回。
三十回。
全て一撃。
神城怜は肩で息をする。
「はぁ……。」
古流斬は木刀を下ろす。
「今日はここまで。」
神城怜は悔しそうに拳を握る。
「一回も当たらなかった……。」
古流斬は静かに言う。
「焦るな。」
「俺も最初から強かったわけじゃない。」
「積み重ねだ。」
神城怜はその言葉を胸に刻む。
「はい。」
夕日が二人を照らす。
その頃、世界では静かに”影”が動き始めていた。
第四話 完
コメント
1件
古流斬さん、第4話読みました〜! 修行、めっちゃ厳しいけど熱いですね…! 神城怜くん、一回も当たらないのに「積み重ねだ」って言われてグッときました🥺 でも閻魔と傲慢の会話や、地下の円卓の六人…何か大きな影が動き出してる感じが不気味で続きが気になります。次も楽しみにしてます!