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⚠️戦争賛美、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️史実ネタでもございません
⚠️すべて、私の妄想です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシアメ
・病気パロ
・なんでも許せる方向け
露→ロシア
米→アメリカ
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
公式文書が届いたのは、朝だった。
形式張った文面。
中立的な言葉。
感情の一切を排した結論。
――アメリカは、国際医療・安全保障機構の管理下に置かれるべきである。
アメリカは、その紙を最後まで読めなかった。
右目は相変わらず何も映さず、左目も輪郭しか捉えられない。
米「……ロシア」
ロシアは、文書を一瞥しただけで破り捨てた。
露「却下だ」
米「え?」
露「お前を引き渡す理由がない」
声は低く、静かだった。
そこに、迷いは一切含まれていない。
会議は、最初から決裂していた。
「国家としての機能が低下している以上、個人の意思だけで判断できる段階ではない」
「研究施設ではなく、保護設備だ」
「ロシア、君が抱え込むには、あまりに危険だ」
次々に投げられる言葉。
正論ばかりだった。
だが、ロシアは一歩も譲らない。
露「危険なのは”お前たち”だ」
冷たい視線が、会議室をなぞる。
露「理解できないものを分類し、解剖し、報告書にする。
それを”保護”と呼ぶなら――俺は、敵になる」
「ロシア、それは感情論だ。」
露「違う」
ロシアは、背後にいるアメリカを庇うように立った。
露「これは、拒否権だ」
その瞬間、場の空気が変わった。
説得ではなく、対立。
交渉ではなく、断絶。
アメリカは、ロシアの背中だけを見ていた。
部屋に戻ったあと、アメリカの状態はさらに悪化した。
立ち上がった瞬間、平衡感覚が崩れる。
床が傾いたように感じ、足に力が入らない。
米「……っ」
倒れる前に、ロシアが受け止める。
露「言っただろ。勝手に動くな」
米「……ごめん」
嗅覚も、ほとんど消えていた。
コーヒーの匂いも、紙の匂いも分からない。
米『次は、何だ?』
その考えが浮かんだ瞬間、強烈な恐怖が胸を締め付けた。
米「ロシア……」
露「ここにいる」
すぐ答えが返る。
その速さに、アメリカは救われてしまう。
米「……連れていかれるのかな、俺」
声が、微かに震えた。
露「誰にも渡さない」
即答だった。
露「お前を”管理対象”にする連中から、俺が守る」
その言葉を聞いたとき、
アメリカの中で、何かが静かに諦めに変わった。
米『……ああ』
米『俺、もう……世界に戻らなくていいんだ』
数日後。
アメリカの名前は、公式な会議資料から消え始めていた。
療養中
調整中
ロシアの責任下
曖昧な表現で、存在が薄められていく。
世界は、諦める準備を始めている。
ロシアの私室。
外部の通信は遮断され、許可なく誰も入れない。
アメリカはソファに座り、ロシアの腕を無意識に掴んでいた。
米「……なあ」
露「なんだ」
米「俺、もう……」
言葉が続かない。
未来を想像すると、頭が真っ白になる。
ロシアは、その手を握り返す。
強く。
逃げられないほど、でも壊さない力で。
露「考えなくていい」
米「……」
露「世界のことも、役割も、責任も」
ロシアはアメリカの額に自分の額を寄せる。
露「お前は、ここにいろ」
その距離は近すぎて、
拒む余地など最初からなかった。
アメリカは、ゆっくり目を閉じる。
世界が、完全に遠ざかる。
それなのに――
ロシアの存在だけが、やけに鮮明だった。
米「……うん」
その一言で、
アメリカは世界から切り離された。
続く…
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい〜
次回、最終話です。
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。今いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
では、閲覧ありがとうございました!