TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

💙「やーだよ!なんであたしがそんなこと…」


深澤が、大好物のおかずを、俺の皿に移しながら頭を下げている。


💜「このとおりっ!!頼むっ!!お礼はちゃんとするからっ!!」



夕食の時間である。

照との練習を終えて、風呂を済ませて飯を食っていたらいきなり深澤に頭を下げられた。 隣りで話を聞いていた照も、俺に同情的だ。



💛「ふっか先輩、翔子先輩をつまらないことに巻き込まないでください」


💜「なんで照、俺の味方してくれないんだよぉ〜」



深澤は不満顔だ。

でも俺だって嫌だ。

深澤の『彼女役』なんて。

深澤の元彼女があまりにしつこく深澤に付きまとうので、彼女ができたからもう会えないと言ったらしい。そして、その彼女役を俺にやってくれと言うのだ。



💙「きっぱりと男らしく断ればいいだろ!」


💜「言ったよ!何度も言ったけど、聞き分けてくれねぇんだ」


💙「だからってなんであたしが!」


💜「頭に浮かんだのが翔子ちゃんだったから!」


そう言い切って拗ねた深澤は上目遣いに俺を見た。


🩷「やってやれよ、渡辺。クラスメイトが困ってるんだから」


💙「うっ」


ポン、と佐久間に笑顔で肩を叩かれた。

深澤単体ならともかく、佐久間の頼みだと俺は断れない。


💙「……わかったよ…」


不思議そうに俺を見る照に、まあ、友達は大切にしないとな、と俺は苦し紛れの言い訳を言った。


💜「ありがとおおおお」


佐久間の手を握る深澤。 いや、まずそこは俺にお礼を言うべきだろう。


💙「で、いつやるんだよ、その彼女役とやらを」


💜「来週末……いい?」


💙「いいけど…」


💜「本当はもっと時間取ったほうがいいかとも思ったんだけど」


💙「なんで?」


💜「だって、彼女に絶対に嘘だってバレたくないし。だから、この一週間は、真剣に俺の彼女として振る舞ってほしい」


💙「は?」


💜「お願い!!演技でいいから、ちゃんと俺の隣りにハマってほしいんだよ」


💙「うーわ。佐久間、恨むぞ」


思ったよりミッションが長めだし、めんどくさそうだ。

俺は佐久間を睨んだ。


🩷「面白そう。俺と照も当日、デートに参加していい??」


💛「えっ、なんで俺まで」


💜「マジか!めちゃめちゃ心強いじゃん!じゃ、決まり!!!!!」



そう言うと、深澤は俺の皿から好物を取り戻して、パクパク食べ始めた。

俺は呆気に取られてそんな深澤を見ていた。






💛「翔子先輩、本当にやるんですか、ふっか先輩の彼女役」


💙「やるよ。引き受けたもんはちゃんとやる」


誰もいなくなった食堂で、照に呼び止められて残った。


💛「危険すぎますよ」


💙「は?何が?演技だよ演技」


💛「世話になってる先輩のこと悪く言いたくないですけど、ふっか先輩、手、早いですよ」


💙「それは気をつけるよ」


言われんでも。深澤は要注意だと思っているから日頃から半径3メートル以内には近寄らないようにしている。


💛「俺、翔子先輩が泣かされるの見たくないです」


💙「泣かねえよ。好きでもない男に泣かされたりしないだろ」


💛「えっ!翔子先輩、ふっか先輩が好きとかじゃないんですか?」


💙「は?好きそうに見える?」


💛「いや、急に引き受けたから」


💙「あれは佐久間が……。いや、大丈夫!絶対ねぇから」


💛「よかった……。安心しました。でも翔子先輩、絶対に夜中にかかってくるふっか先輩からの電話には出ないでくださいね」


💙「なんだそれ?」



真剣に忠告をくれると、照は穏やかな表情になって、自分の部屋へと帰って行った。

この作品はいかがでしたか?

623

コメント

12

ユーザー

最近忙しくてなかなか読めてなかったす。続き楽しみです♪

ユーザー

好物あげてるのに決まった途端に返してもらってるふっかさん好きw 照が純情でそっちも好き🥺

ユーザー

💜💙💛🩷ダブルデートになるんですねっ🧐 続き楽しみです🥰

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚