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#ハッピーエンド
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未だに首を傾げてウンウン唸って考え中のレイブに対して、アスタロトは溜息と合わせた声を洩らす。
『はあ~、お前等スリーマンセルは純粋で素直、それに朴訥で働き者なんだがなぁ…… 如何せん単純、はっきり言えば考え無し過ぎるから我も心配なのだ…… もっと慎重にだな、行動や言葉に出す前に良く考えなければ駄目だぞ? でなければ『脳まで筋肉で出来てるんじゃね?』とか言われたりしてしまうからな! 中身としての我自身の名誉や沽券にも関わることだ』
関わるだろうか? 良く似ているピッタリの依り代としか思えないのだが……
相変わらず観察中の声は対象に届くことは無い。
同格の魔神所か格下の悪魔達からも脳筋と呼ばれ、何だったら直接の部下達からも考え無しを心配され続けていた魔神様は言葉を続ける。
『兎に角だ、お前達は知らず知らずの内に魔力の量を増やし続け、体内での循環速度を高め続けた、その結果、一般的なニンゲンや無垢の魔力を操る魔術師よりも強靱な肉体を得た、つまり力、フォースを手に入れたと言う事だ、ここまでで理解するべきは、自分たちは魔力を使って結果を出した、つまり魔法を行使して強くなった、そんな感じのゆるりとした認識だけで良い、どうだ?』
「あっそれだけで良いんですか! だったらオケイ、了解です! ゆるりと認識しましたよ♪」
ほらピッタリじゃん、単純な所とか……
『んだからな、ギレスラのブレスだろうが里人の生活魔法だろうが周囲で使えそうな物を頼れば良いんだぞ? 里人も魔術師達も魔力災害の場ではお前等の力に頼るのだからな、違うか?』
「確かに…… 本当ですね、その通りです、えへへ」
『くふふ、では早速その方式で火を熾してみるが良い』
言われたレイブは、一切躊躇せずに目の前の魔神に向けて笑顔で告げる。
「じゃお願いしますね」
『は?』
「火ですよ、お願いします」
『あー、そうか…… そうなるか……』
周囲を見回したアスタロトの目にはレイブと自分の二人しかいない野営場所が映るのであった。
ペトラとギレスラは夕食、まあモンスターの生き汁なのだが、の素を捕獲に行って戻って来てはいないし、テューポーンも又、飲用や体を清める為の水を汲みに出たきりである。
たった今、自分が教え諭した事を自ら否定する訳にも行かない、そう判断したのかアスタロトはレイブの足元、蹴り散らかされていた薪が再び積み並べられた場所に近付き腰を下ろしながら言う。
『火か…… 焼き尽くすとかは得意なんだがな…… えっと、良いか?』
「はい、お願いします♪」
『ふむ』
ゴゥッ! チリチリチリッ……
「あ、薪が……」
アスタロトが片手を翳した次の瞬間、積まれていた薪全てが一瞬で激しく燃え上がって、次の瞬間真っ白に炭化された灰だけが残っていた。