※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体等とは一切関係ありません。
〈16話〉
『私が死んだら読んでください』
これは。
「遺、書……」
つい封筒を掴む手に力が入って、くしゃりと皺が寄ってしまった。
書かれた文字を辿る左の人差し指は震え、目は瞬きの仕方を忘れてしまったように食い入るように文字をなぞる。
「なんで、けほけほ、こんなもの……」
普通、健康そうな若い男の人が、こんな風に遺書を書き残したりするだろうか。
実は余命宣告されるような重い病を抱えているのか、それともそれほどまでに死を強く意識したことがあるのだろうか。
もう1回裏返して確認すると、手紙は糊とシールでしっかりと封がされていた。
窓の方にかざしてみたけど、あいにくの天気で封筒の中を見ることはできない。
いくら封筒を傷つけないように丁寧に開けても、シールが貼ってあるから誤魔化すのは難しそうだっ****************
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