テラーノベル
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ゴールデンウィークを間近に控えたある日の昼休み。
怪異探求倶楽部の部室には、いつものように和やかな空気が流れていた。
テーブルを囲み、それぞれが弁当を広げながら談笑している。
その中で、茜がふと朝陽の弁当に目を留める。
「いやぁ〜♬朝陽くんの弁当可愛い〜♬」
突然褒められた朝陽は、照れたように視線を逸らした。
「そ、そうですかね?」
朝陽の弁当箱の蓋を開けると、中には二匹のクマが仲良く並んだキャラ弁が収まっていた。
白いクマと茶色いクマがご飯で丁寧に形作られ、ブロッコリーや、星形に切られたニンジンやスライスチェダーチーズ、色鮮やかなおかずが隙間なく詰められている。
まるで絵本から飛び出してきたような出来栄えだった。
「すっごっ!クオリティ高いね!」
信愛は思わず身を乗り出し、焔垂も感心したように頷く。
「それって絹さんが作ったんだろ?」
焔垂の問いに、朝陽は少し恥ずかしそうに笑った。
「そうなんですよ・・・」
一度言葉を切ると、照れくさそうに頭を掻きながら続ける。
「恥ずかしいからキャラ弁は辞めてほしいんですけど」
信愛は優しく微笑んだ。
「まあまあ、そう言わないの」
そして少し考えるように視線を落とす。
「多分、本来なら絹さんは
朝陽くんが小学生の時とかに
作ってあげたかったんじゃないかな?」
信愛のその言葉に茜が反応する。
「あーね!その期間は一緒に過ごせてなかったから」
茜は納得したように手を叩く。
「そう!だからこれは絹さんからの愛情だよ」
続けて、どこか羨ましそうに笑う。
「てか、そんな可愛い弁当作ってもらえる
朝陽くんがむしろ羨ましいなぁ私は」
朝陽は照れ笑いを浮かべた。
「あはは・・・そうですかね」
そんな和やかな空気の中、部室の扉が勢いよく開き、息を切らしたさくらが慌てて飛び込んでくる。
「ごめーん、遅れた」
肩で息をしながら苦笑いを浮かべる。
「お母さんから電話があったからさ」
「ううん、いいよ。気にしないで」
信愛が優しく迎える。
しかし次の瞬間、さくらの視線は朝陽の弁当に釘付けになった。
「てか朝陽くんの弁当なにそれ!」
目を丸くしながら駆け寄る。
「めっちゃ可愛いんだけど」
「絹さんの手作りだってさ」
信愛が説明すると、さくらはさらに目を輝かせた。
「まじで!?絹さんすごいじゃん!
これ・・写メっていい?」
朝陽は少し照れながら頷く。
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「あ、はい・・・どうぞ」
さくらは嬉しそうにスマホを取り出し、何枚も角度を変えながら写真を撮る。
「絹さんヤバすぎ!天才じゃん!」
朝陽はその様子を見て、照れくさそうに頭をぽりぽりと掻いた。
「あはは・・・」
すると茜が、朝陽の耳元へ顔を近づけ、小声で囁く。
「絹さんから教えてもらって
今度信愛にもキャラ弁作ってあげたら?」
突然の提案に、朝陽は目を丸くした。
「え? ぼ、僕がですか?」
茜は悪戯っぽく笑う。
「喜ぶんじゃないかな?」
「そ、そうですかね・・・」
朝陽が困ったように頬を掻いていると、信愛が不思議そうに二人を見た。
「ん? 何コソコソしてんの?」
茜は何事もなかったように肩をすくめる。
「ううん、別に」
「そっか・・・」
信愛は小さくそう口にすると、何事も無かったかのように弁当を食べ進める。
(普通気付きそうなもんだけどな
信愛を振り向かせるのは至難の業っぽいね
がんばれ・・朝陽くん!)
茜は心の中で朝陽にエールを送る。
コメント
1件
美月ゆめか🌸だよ〜〜!読んできたよ!! 今回のエピ、めっちゃほっこりした〜〜😭💕 朝陽くんのお弁当がまさかのキャラ弁でしかもクオリティ高すぎてビビったんだけど!?絹さんの愛情が詰まりすぎてて泣ける…「小学生の時に作ってあげたかったんだろうな」って信愛ちゃんの一言にグッときたよ…ああいう優しさが染みるんだよね🥺 そして茜ちゃんの内緒の作戦会議、朝陽くんがんばれ!!って応援したくなった笑 日常回だけどキャラの関係性がじんわり伝わってきて、こういう空気感が大好きです〜〜🌸 次回も楽しみにしてるよ!