カンッ、とグラスが鳴った。
「かんぱーい!」
聞こえたのは、誰の声だったか。
一同、珍しいまでの勢いを携えて、グラスと声を掲げる。
そうして、一息に傾けると、キンキンに冷えたビールが喉を通っていく。
これ程に美味しいビールは久しぶりに飲んだ、そんな気がした。
「瑞希、そっちの枝豆、分けておいてくれ」
「うい」
手渡された小皿に、総一朗用の枝豆を取り分ける。
と、唐突に向かいに座る奥村が、うっ、と何かに込み上げたような声を漏らす。
早くも酔いが回ったのかと焦り、見やると、まだ判断するには難しい顔色で俯いている。
「ど、どうしたの?」
乾杯のビールで酔う程、酒には弱くなかったはずだが、体調次第ではそれもわからない。
とりあえず、水でも頼もうかと、軽く手を上げかけて、はっとしたように下ろした。
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