決意はしたものの、上手くできる自信がないので、俺はこっそり自主練に励んだ。
🖤「しょっぴー、最近バナナばっかり食べてない?好きだっけ?」
💙「うん、まあ」
別にふつう。
でも必要だから。
そう思って、1人でいる時間がない時も阿部ちゃんにはバレないよう頑張ってイメトレした。
阿部ちゃんの家で、相変わらずバナナで練習をしていると、玄関がかちゃり、と開いた。
俺は大急ぎでバナナを食べ切り、皮をゴミ箱に捨てる。
いよいよ実践の時。
今までの俺じゃない、2人で満足するんだという強い覚悟のもと、俺は阿部ちゃんを出迎えた。
💚「あれ、早いね。もう来てたんだ」
💙「阿部ちゃん阿部ちゃん」
俺は阿部ちゃんの腕を引く。
少しでも喜ばせようと、わざと短めのショートパンツと大きめのワイシャツで彼シャツ感を出してみた。
涼太のアイデアだ。
💚「どうしたの」
阿部ちゃんは少し戸惑い気味だったけど、恥ずかしくて顔を上げられない俺は、無理やりに阿部ちゃんをベッドに連れて行く。
💚「えっ」
そしてそのまま阿部ちゃんをベッドに押し倒した。
うまくムードをもっていくやり方がわからないから、直接的に、とにかく一気にズボンを下ろそうと引っ張った。
💚「………翔太、ベルト外さないと脱げないよ」
💙「あっ」
舞い上がっていたところをやんわりと指摘されて、俺は耳まで燃えるかと思った。
深呼吸して、震える手でベルトを外し、続いてズボンを下ろしていく。
💙「腰、上げて…」
思ったよりもか細い声になってしまい、一瞬挫けそうになったが、阿部ちゃんは協力してくれた。
恥ずかしくてあまり直視したことのない阿部ちゃんの…。
俺はほとんど泣きそうになりながら、思い切ってそれを手に取った。
💚「ほんとに、どうしたの?」
💙「口で、してあげる」
思い切って先端を舐めてみる。
嫌な臭いも、味もしなかった。
今度は全体を咥えてみる。
そして口の中で、イメトレ通りに舌を動かした。
💚「翔太…」
少しずつではあるが、阿部ちゃんのものが硬度を高めていく。次第にそれは口の中に収まりきれなくなって、苦しくなって来た。
俺の頭を撫でていた阿部ちゃんの手が、掴むような動きに変わり、指先に力がこもる段になると、俺は感じているんだと思って、夢中になって舌を動かした。
阿部ちゃんの息遣いを感じる。
もうそろそろかな、と思っていると、阿部ちゃんは俺を両手で掴んで、無理やり、引き離した。
💚「………はぁ」
💙「阿部ちゃん?」
唾液に濡れてそそり立つ阿部ちゃん自身が、達することなくそのまま天井を仰いでいる。
俺は諦めきれずに手を伸ばそうとした。
💚「いいから、翔太」
💙「だって」
もうちょっとだったのに。
その一言は代わりに涙の粒となって、目から頬へと零れ落ちた。
阿部ちゃんは、ズボンを穿き直して、起き上がり、俺の頭をポンポンと叩く。
💚「どうしたの」
💙「だって」
一人でしてたのを見たなんて言えない。
俺は俯いて泣くだけ。情けないけど、フラれることばかりが頭に浮かんで悲しくて仕方がなかった。
💙「阿部ちゃんに…っ…気持ちよくなって…ほしくて…っ」
やっと言えたのはそんな情けない告白。
阿部ちゃんは身体を離すと、優しくキスをしてくれた。
💚「可愛い」
そして、ぎゅうっとまた強く抱く。
💚「だからバナナ…?」
💙「えっ。知ってたの……」
💚「愛おしすぎるんだけど」
💙「だって……っ…」
阿部ちゃんには全部お見通しだった。
バナナの意味も、何もかも。
恥ずかしくて仕方がない。
穴があったら入りたい。
てか、いっそもうこのまま消えたい。
💙「もう我慢しないで」
💚「翔太?」
💙「俺、阿部ちゃんの全力、受け止めるから…」
必死に言葉にしてみたけど、ちゃんと伝わっただろうか。
阿部ちゃんは真面目な顔になって、今度は深いキスをくれた。
コメント
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バナナ何本消費されたんやろか……服も頑張ったり健気だぁ