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素敵な娘だったな・・・何学部なんだろう?きっと物凄くモテるんだろうな・・・
それから数日間、和樹は百合から連絡が来るかもしれないとその事が頭から離れなかった
顔が可愛いと言うだけで、今まで女の子に惹かれた事はなかった、顔が可愛い女の子はお高く止まっている娘が多いからだ
しかし彼女だけは違うような気がしていた、車を傷つけたからといって、1時間も持ち主を待つような女の子だ
彼女は自分を惹き付ける何かがある、そう思っただけで和樹の胸がザワついた
三日経っても彼女からは連絡がなかった、LINE交換をしているのだからこちらから連絡をしても良かったが、なんだか修理代をせびっている様で嫌だった
彼女から連絡を貰って初めて、自分は車の傷なんか忘れていたと心の広い男を演じたかった
そして1週間が過ぎた、和樹は待ちくたびれ、フラストレーションが高じて怒りにまで達していた
「あんな娘どうでもいいよ!どうせあの時苦し紛れの言い訳だったんだ、はなから弁償する気なんてなかったんだ」
そして次の週、ほとんどあきらめかけていた時、ようやく百合から電話がかかってきた、彼女の鈴が転がるような綺麗な声を聞いた途端、和樹はどうして百合に怒っていたか思い出せなくなっていた
『ごめんなさい!急用で中国に帰っていたの、あっちに父さんがいるものだから・・・』
「ちっともかまわないよ、もう家の用事はすんだの?」
『あなたって優しいのね・・・怒ってたらどうしようってずっと心配だったの』
和樹は笑った、彼女が目の前にいないのに雄鶏の様に胸を張った
「僕はそんな気の短い男じゃないよ、今から時間ある?とってもうまい焼き鳥屋があるんだ、一人で行こうかと思ってたんだけど、本当にうまいんだ」
『焼き鳥は私の大好物よ、ぜひご一緒したいわ』
和樹は話しながらガッツポーズをした、とてもスムーズに彼女を誘えたので飛び上がりたい気分だった
「それじゃ1時間後に迎えに行くよ」
電話を切ってから、やっぱり嬉しくて飛び上がった