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「ほら、行くよ!」
「きゃっ、速い、速い」
楽しそうに笑う美鈴ちゃんを乗せて、私は走り回る。
「もっと速く走れ―!」
テンションが上がった美鈴ちゃんはさらにスピードを上げるように言ってくる。よし、じゃあいくよ!
「わぁー!」
さらに加速していく私。その速さに驚く美鈴ちゃん。いい反応だ。
「お姉ちゃん、あっち行って、次はこっち!」
美鈴ちゃんの指示で部屋中をあっちこっち走り回る。気が付いたら玄関のところまで来ていた。そのとき……ピンポーン、と呼び鈴が鳴った。えっ、誰か来ちゃった。美波さんならそのまま入ってくるだろうし、誰だろ。まあでも、私裸だし、出る訳にはいかないな……。と思っていたら、背中の美鈴ちゃんが、
「どうぞー」
って言っちゃった! ガチャリとドアが開いて、入ってきたのは美鈴ちゃんと同じくらいの子ども数人だった。
「こんにちはー」
みんな挨拶をしてくる。
「あっ、こんにちは……」
とりあえず、挨拶を返す。すると、一人の男の子が、
「ねえ、どうしてお姉ちゃんははだかなの?」
って聞いてきた。ああもう、また聞かれたよ。なんて答えればいいんだろう。
「えっと……、それはね……」
言葉に詰まっていると――
「お姉ちゃんは今馬なの」
美鈴ちゃんが代わりに説明してくれた。どうやらこの子たちは美鈴ちゃんの友達で、遊びにきたらしい。
「そっか、馬だから裸なんだね」
何だかよく分らないけど、納得してくれたらしい。とりあえず、そういうことにしておこう……。
「ねぇねぇ、お姉ちゃんに乗ってもいい?」
今度は別の子がそんなことを聞いてくる。
「いいよっ!」
美鈴ちゃんが元気よく答えた。ううっ、私の意志は関係ないのね……。(続く)