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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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朽ち果てた町…

大半の人々はこの町を去りほかの町にと移住した。

今この町はもぬけの殻に近しい。

何故もぬけの殻と言いはらないのか?

それはこの町に残る者もまだ幾人か居たためだ。

とは言え残った人々はろくな人間たちでは無い。

富 権力 地位 それらに縋り付く汚き大人の巣窟

それが一番近しい言葉だろうか。

何も無いこの町に何故 富 権力 地位 を求める者が生まれているのか

それはこの町に何も無いからだ。

何も無いからこそ全てが手に入る

誰もいなくなった町など価値はない。だがしかしそれはあくまで【町】としての価値は無いのだ。

町の価値はなくとも土地としての価値は充分ある。

この土地を有効活用し自分たちの組織があるのならそれを拡大することも出来る。

別に維持費なんてものは掛からない…だってこの土地は町の住民によって捨てられたのだから。

今ではこの町に名前はない。外部から勝手に名付けられた名前を上げるなら【ならず者の町】だそうだ

そんな権力地位に縋りつこうとする汚い大人達が跋扈する世界に今を生きようとする強き心を持つ少女がいた。

彼女はただ生き抜くことを目的として”いた”

当時はそのつもりだったが今では目的は変わっている。その目的はこの町を”解放”することだった。

目の前の餌に群がり食らいつく鯉のような大人達が支配するこの”世界”を変えるために…

またいつかのような活気溢れる町にするために、幼き少女が動いていたのだ。


ねずみ色の空から雨粒がポツポツと落ちる日

一人の少女は何者からか逃げるように廃墟と化した町中を走り回る。

「はぁ、はぁ」吐息を切らしながら体が疲れを訴えていたとしても無理をして走り続ける。

途中巻くのにちょうどいい建物を見つけそこに隠れ何とかやり過ごそうとする。

「はぁ……はぁ………ここまで来れば巻けたかしら…」

「アイツがやけに大事に持ってた翡翠の瞳とか言うロケットを奪ってくれたわ」

「こいつを売れば一応”私達”の生計分は稼げそう」

薄暗い小部屋の端で丸くなりそう呟く少女

白銀の長い髪にアクアティントの瞳

そして少しつり目で全体的に整った顔立ちをしてる

切れた体力を少し回復して外を警戒しながらすぐに外に出る。なぜ少女はこんなにも早く行動するのかまた、何が目的なのかそれは時期に分かる事だ

入ってきた場所のちょうど反対側に当たる場所からこっそり外に出るもどうやら待ち伏せされていたらしく逃れることが出来ぬまま捕まりまた建物の中に連れていかれ複数人の大人の男達から殴る蹴るの暴行を一方的に受け続けた。

それからしばらくして殴り飽きたのか何とか奪った**翡翠の瞳**を取り返され男達はその場を後にする

肉体的ダメージは別に大したことは無い

ほっとけば治るし、そもそも殴る蹴るなんて暴行は受け続けてきたせいで慣れてしまった

こんな肉体的ダメージなど、”あの子”達が受けたものと比べればきっと大したことは無い

出血が少し酷いがアジトはすぐそこにある。勢いの増した雨水が傷に触れ少しヒリつくが我慢は出来る痛みのためグッと我慢しアジトまで歩いて帰る


アジトに着きみんなの待つ部屋に入る。

すると真っ先に話しかけてくれる一人の少女がいた

「あ!やっと帰ってきたダイヤおねーちゃん!」

「ただいま」

「今日は何も盗って来れなかったの?」

「えぇあと少しだったんだけれど残念ながらね」

「そんなことよりダイヤ…」

「あんた傷だらけなんだからまず傷を癒すよ

ほら、とっととその服も脱いで」

「血濡れの服も何とか洗っておくからね」

「助かるわアメジスト

「まだその名の呼び方に慣れないわね」

迎えに来てくれたこの子はエメルラルドとは双子の姉妹でエメルはその妹。特徴と言えば2人とも瞳の色がエメラルドグリーンのような瞳をしていること

この名前もそれが由来となっている。

ダイヤとエメルの会話に割って入ってきたのはこの集団のいわゆるストッパー的役割を持つアメジスト

彼女の名の由来もまた瞳の色である

他にも何名かいるが大抵は瞳の色か髪色で決めてる

ダイヤは髪色のパターンであった

「まぁ慣れないのは分かるけど慣れてちょうだい」

「お互いの過去を隠すためのコードネームみたいなものなんだから」

「まぁ、言われれば納得するわ」

「私らの共通点は**捨て子話せぬ過去を持つ**て所だもんね」

廃墟と化したこの屋敷でひっそりと暮らす少女達

みな、親に捨てられたなどの悲しい過去を持つ者が集まった集団その集団のまとめ役いわゆるリーダーのような立ち位置に着くのがダイヤその人だ

彼女はなんと16という若さでリーダーを務めている

生計は盗みをして行かないといきれないことは確か

その生計を立てるのは親代わりでもあるダイヤ本人

実はダイヤには妹がいた

しかし親の都合で居なくなった。そう親の都合で…

元々責任感の強かったダイヤは妹が出来たことでより一層強くなり初めて守るものができた瞬間だった

しかしその妹がすぐにいなくなりそのうえ親からも捨てられた。生き残るために居場所を探しているとちょうど良い建物を見つけた。それが今のアジトだ

中に入ると既に自分と似たような境遇の子が何人もいた。エメルやラルドもそのうちの一人だ

だが彼女らは何日も食べ物を口にしていないのか目が虚ろで限界が近かったようだが、その光景を見たダイヤは「この子達を養い守ってみせる」と覚悟し盗みを始め生計を立て始める。この出来事はもう3年も前の話である。今では少し人数も増え自分と同じ歳の子も来たことにより子守りに割く時間も軽減されより盗みに精が出ると言ったところだ。

ちなみに同い歳はアメジストとサファイアの二人である。彼女らも余裕が出来たら一緒に来てもらい共に盗みを働く。盗む相手は裕福層…それもあくどい商売で稼ぎを得てるもの達だ

そんなことを繰り返していたらこの町では彼女らを

盗賊団ジュエルズ

と言うなんとも言えぬネーミングセンスの不名誉を貰い受けることになる。

名付け理由としては単純に彼女らの名前が宝石にちなんだものだからだと風の噂で聞いた

現在はダイヤ アメジスト サファイア の3名がローテーション形式で盗み行っている

たまに大きめな盗みをする時は3人で行動し盗みを働くこともしばしば

そしてそれが長く続いたせいか思わぬ所で全員特殊固有スキルなるものを得てしまっている。

現在彼女らの目的は町の解放である。

この町を統治しているある組織のせいでこの町は腐ってしまい町としての機能を失った。

だからこそその組織を潰せば出ていった人々が帰ってくると考えたからだ。

……とまぁ、これはあくまで表向きの話である

本当の目的は単純な憂さ晴らしと言うべきか

復讐と言うべきか…その組織のトップはなんとダイヤの元父親であるのだ。

妹を都合で消してそのついでと言わんばかりに自分を捨ててるクソみたいな親が何故すまし顔で生きているのかそれが気に食わなかったからだ。

そいつを消せば町に自由が手に入る。

本来の目的とは関係はないが奴が消えれば町が解放されるのだと知るとそれを利用したのだ。

だから表向きは町の解放…裏では私念での親抹殺

という構造になっているということだ。

作戦は色々考えているがまずは傷が癒えないと話にならないので傷を癒すことに専念することにした

魔王勇者 〜ジュエリーボックス〜

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コメント

1

ユーザー

ジュエルズの過去編なので分からぬ人はぜひ本編も目を通していただくと幸いです

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