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ダイヤが傷を癒している同時刻、数人の少女たちがちょっとした”遊び”を始めていた
「やっぱり生きてくとはいえ盗むのは…」
少し臆病になりがちなのはエメル
彼女はとても心優しき子で盗賊団としては正直団員にすら数えることを拒まれるもやる時はしっかりとやってくれる頼りになる1人である
「エメルはちょっと優しすぎるよね〜」
「生きるにはそれくらいしないと」
盗むことに反対したエメルにそう問いかけるのは妹であるラルドだ。
エメルとは性格も反対なようで活発なものになっている。
「つってもがっつきすぎんのも得策ではないぞ?」
「盗まないという選択肢は無いしだからと言ってガツガツ行くのも違う。」
「その辺の塩梅が分からないようならまだ子供だ」
「むー!!サファイアねぇはちょっと言葉に棘があるんだよね!ちょっとは自覚したら!?」
「事実を述べてるのよラルドちゃん?」
現れた一人の女性に罵倒するラルド
その女性はサファイアという強気な女性だ。
アメジストやダイヤと同じ歳の子であり、いわゆる姉御肌というやつだ。
髪も瞳もサファイアのような蒼色をしていることからそう名付けられた。
「なーなーダイヤねぇ?」
「サファイアのねぇちゃんぶっ飛ばしても問題ないよね?」
「落ち着きなさいよ2人とも」
「ラルドは簡単に挑発に乗らないこと」
「サファイアも煽りすぎない事ね」
「からかいのレベルだと言うのに気づかないラルドの頭がちょっと心配ね?」
「がぁー!まだ言うか!?」
「はぁ……やれやれって感じね」
「はい怒りました!」
「サファイアを今日こそ捻り潰します!」
「ならまた場所移すぞ」
「なになにー?戦いごっこ?」
「おもしろそーだからラズリも着いてく〜♪」
わちゃわちゃとしながらラルド サファイア ラズリは一度この館を出て別の近くの家にと場所を移す
そこは彼女らにとって闘技場のようなものにとなっている
3人が出ていったことをつゆ知らずダイヤはアメジストと雑談を交わす
その途中一人の少女が本を抱えながら小走りで近づいてきた。
「ダイヤおねぇちゃん。この本面白かった…」
「もし続きがあったら……その…………」
「えぇもちろん持ってきてあげるわよ」
「ラピスはほんとに本が好きなのね」
先程出ていったラズリの妹ラピスである。
紺に近い色の長い髪をしており前髪は目元付近まで伸びている。
本人曰くあまり人と目を見て話すのが得意でないため前髪で少し隠れてるくらいがちょうど良いとのこと。
「あのねダイヤおねぇちゃん」
「前にくれたこの本少し難しくてね」
「もし時間あるなら……」
「もちろん一緒に読んであげるわよ」
「えへへっ…ありがとう」
「えっとなになに……」
「魔法の基本とその原理 ね」
「確かに難しいものかもしれないわ」
「お姉ちゃんも気になるからゆっくり読んでいこうね」
廃墟と化した館を出た近くの家に3人はいた。
元は民家なのだが荒れに荒れて改築した結果闘技場にと姿を変えてしまった。
今ではそこが彼女らの遊び場らしい。
「さて、ここに来たのならルールは説明なくてもいいな?」
「うん!すきるのしようきんしと道具による暴行はなし!でしょ?」
「バカね…スキル使用はこの家が崩落さえしなければ使っていいのよ」
「スキル禁止だと私らに勝機はないのよ?」
「むー!ちょっとの間違いに対していいすぎ!」
「そんなことで喧嘩してるようでは私には勝てないな」
「まぁ、勝てなくて当たり前だけどな」
「なんせ私は強すぎるしな」
「言ったなぁ?じゃあ早速行かせてもらうね!」
「ラルちゃん!グリーンカーテン使って!」
「ノンノンノン♪」
「私のは進化してグリーンカーペットにと変わったのだよ!」
そう言い放つとエメラルド色の光の膜のようなものが床全体を覆う。
「ラズリそしたら直ぐに《蒼い稲妻》を使いなさい」
「任せてよね!サファイアねぇには悪いけど今回はもう私らの勝ちよ!」
「グリーンカーペットはスキル封印が付いてる」
「もちろんラズリもそれは食らうが蒼い稲妻はスキルではなくあくまで技」
「グリーンカーペットの効果は適用されない!!」
「確かにその通りね…しかもカーペットだから地面にいればスキルは使えないわ」
「けど空中にいればそれは関係ないでしょ?」
「わざわざ身動きの取れない方を選択するなんてよっぽど自信があるの?サファイアねぇ」
「そう出ないとこんな行動取らないわよ」
「加減なしで行くからね!」
「私の進化した蒼い稲妻…蒼い巨星をくらえ!」
ラズリの手のひらから小さな青い球体が放たれる。その球体は特別速度がある訳では無いが辺りのものを吸い込みながらサファイアにと近づく
もちろん吸い込まれる対象はサファイアも入る
「ブラックホールみたいな仕組みかな?とは言えやはりまだ練度が足りない実戦投入するには少し早すぎたみたいだね」
「ブラックホールもろとも返してあげる《壱の舞 桜吹雪》」
突如部屋に桜が舞いだし、ラズリの放った玉を囲いそしてそれを包み込むと青い玉はその場から消え、残った花びらはラズリたちを襲う。
「え!?それはずるいよ!!守れないもん!!」
「バカ!言ってないでこっち来て!!」
「あんたも守ってやるから!」
ラズリを自分の方に呼び後ろに隠れさせる。その後何かを唱え出す。
「グリーンカーペットよ!ラズリを守る光の盾となれ!」
床に張り巡らされたエメラルドの光はラズリ達を包み込みその桜吹雪から身を守る
「その力意外と汎用性が高いみたいね」
「グリーンカーペットだけでなく防護スキルとなるエメラルドプロテクションに変わる」
「ラルにばっかり頼ってるから私も頑張るよ!スキルなんかなくても消し飛ばしてあげる!」
エメラルドプロテクションに守られたラズリは立ち上がりサファイア目掛けて全速力で走り出す
「真っ直ぐ来るとただの的!容赦はしない!!」
「《鬼殺し 種子島》真っ直ぐ来るのはおバカの行動よ」
指を銃を構えるようにしその指先から黄色い閃光が弾ける。それは迷いなくラズリの足を捉えて飛んでいく。しかし、ラズリに当たったと思われたそれは倒れる素振りなしに何事もなく突っ込んできた。
「なっ!?足を飛ばしたはずじゃ…」
「残念♪ラズリは後ろだよ」
振り向くまもなく後ろに現れたラズリの一撃で大きく体勢を崩してしまいフィニッシュで威力を最小まで抑えた蒼い巨星により決められてしまった
「まさか…決められるとは……」
「さっきのスキル使わない宣言はブラフだよ」
「倒れなかったあのラズリは?」
「ラルちゃんの新しいスキル《グリーンドッペル》てやつ」
「私が見たものなら姿、口癖、攻撃方法、攻撃の癖、その全てをほぼ完璧にコピーする」
「見破る方法は汚れまでは再現できないからそれを見極める事」
「ラルドにラズリ良く成長したな」
「今回は私の負けでいいだろう。さて、回復しながら家に戻るぞ」
「サファイアおねーちゃん回復なんてできたの!?」
「治癒魔法は使えないけど《古の秘薬》てスキルで完全回復すんだよ」
「このスキルは代償がまぁ大きくてな。発動する時に所持者の寿命3年分奪い取るんだわ」
「3年分奪い取るってなかなかじゃないの?」
「そう思うだろ?実はそんなことなくてな。」
「私ら特殊な環境下で育ちすぎて《生存本能》て固有スキルによって数百年分の寿命を得ててな、ほぼ不老不死に近しい体を手に入れてんのよ」
「あー!確かにそれなら3年分なんて安い代償だね」
「私らからすれば安いが普通の人が使う分にはリスクがでかいんだわ」
「あっ!おうちが見えてきたよ!!私先帰ってるね!」
「ラズリはまだまだ元気だな」
「ついてく私もクタクタだよ…」
「んじゃー私も疲れたし風呂はいってさっぱりしてくるか」
「私も一緒に入ってもいい?」
「1人で入れ1人で…」
コメント
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ちょっとした息抜き回てきな?