テラーノベル
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真っ赤なまま呟く彼に、こっちは言葉も出てこない。
さっき触れられた場所が、まだ熱を持ってる気がする。
ak「な、なに急に……」
やっとそれだけ言うと、彼は視線を逸らしながら頭をかいた。
pr「いや……なんか、したなってん」
ak「だからって……」
pr「ごめん、嫌やった?」
急に不安そうな顔になる。
その表情を見た瞬間、胸がきゅっとした。
ak「嫌じゃない」
即答だった。
彼は一瞬目を見開いて、それから安心したみたいに笑う。
pr「……よかった」
その笑顔がずるい。
予鈴が二回目に鳴る。
pr「ほんまに戻らな」
ak「うん」
でもどっちも動かない。
彼は名残惜しそうに繋いだ指を見て、
ゆっくり離した。
離れた瞬間、少し寂しい。
pr「放課後、迎え行く」
ak「毎回迎えに来る気?」
pr「彼氏やし」
得意げに言うから、思わず笑ってしまう。
prak「はいはい」
「その反応なんやねん」
二人で笑い合ってから、屋上を後にする。
階段を降りる途中も、
さっきのことが頭から離れなかった。
手の甲に触れられただけ。
それだけなのに、こんなにドキドキするなんて。
教室に戻る直前、彼が小声で言う。
「……顔、赤ない?」
「そっちこそ」
「やばい?」
「バレる?」
「かなり」
「終わった」
本気で焦る彼がおかしくて吹き出す。
すると彼はじとっと睨みながら、
でも少し嬉しそうに笑った。
教室の扉を開ける。
一気に騒がしい空気が流れ込んできた。
「お、帰ってきた」
「二人ともどこ行ってたん?」
友達の声に、また心臓が跳ねる。
彼は一瞬固まってから、
ちらっとこっちを見た。
その目が、「どうする?」って聞いてるみたいで、
なんだか可笑しくなる。
「……飲み物」
「せやせや!」
タイミングぴったりで同じことを言ってしまって、
また周りが笑い出した。
「息合いすぎだろお前ら!」
その言葉に、二人同時に黙り込む。
そして次の瞬間、
彼が耐えきれないみたいに吹き出した。
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