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#デスゲーム
Mr.J
154
しょうまる
観測者l!!@人狼ゲーム中
98
ハルキは教室に取り残された者たちを振り返ることなく、スダとともに廊下を歩いていた。
扉の向こうで泣き叫ぶかつての仲間達の声がまだ微かに聞こえるが、二人は何もなかったかのように無言で階段を下りていく。
廊下を抜け、エントランスに出たところで、スダが無線機を手に取り、どこかに連絡を始めた。
「こちらスダ、完了しました」
さっきまでの冷酷な態度とは打って変わり、彼の声は妙に腰が低く、口調も砕けたものに変わっていた。
無線を切ると、肩をすくめるような仕草でハルキに笑いかける。
「ハルキくん、ほんとおめでとう。約束通り、採用だよ」
スダは続けて言う。
「社長以下、役員全員が一致で君の採用に賛成したってさ」
ハルキは少しの間、無言でスダを見つめていたが、やがて静かに頭を下げた。
「ありがとうございます。あなたが声をかけてくれなかったら、僕はただ……消えていくだけだったと思います」
彼の脳裏には、面接後にスダが声をかけてきた日の記憶が蘇る。他の放送局の採用試験に落ちたハルキにスダが声をかけたのだ。
この制作会社の社員の一人であるスダが提案したのは、この企画そのものだった。
「視聴者も売上も、SNSの反応も、今までの中で一番だったらしいよ。すごいよ、ハルキくん」
スダが笑いながら言うが、ハルキはどこか遠くを見つめたままつぶやいた。
「ありがとうございます」
「でも君も死んだんだよ、それと引き換えにここに採用ってこと忘れてないよね?」
スダが顔を覗き込むとハルキは笑った。
「まぁいいですよ。あれだけ晒されてるし、それ以前に僕はもう“死んだつもり”です。それよりも、どうして辛い思いをしてきた人間が、告発することでまた身を隠さなきゃいけないんですかね」
スダは彼をちらりと見たが、何も答えなかった。ただ、面倒くさそうにため息をつきながら、彼の肩を叩いた。
「さぁね。でもさ、また同じように悩んでる人たちを手助けしていこうぜ? いい番組を配信していくんだ、後輩くん」
そう言って、スダは拳を突き出した。
ハルキは一瞬だけ戸惑ったが、やがてその拳に自分の拳を軽く合わせた。
「にしてもやっぱ最後の楽しみはこれからだよってなんかダサかったですかね……あれもネットに出てますよねー」
「大丈夫大丈夫、あれくらい大袈裟にやらないと。君も役者向きだね。いずれは僕の役割できるんじゃないかな」
と2人は笑った。
「てか残ったみんなはどうなんですか?」
ハルキはふと疑問に思った。
「あーどうなるんだろ……部屋の中にたくさん凶器を残しておいたから……部屋も施錠しましたし……出ようとしても飛び降りても死にますし……ねぇ」
スダは笑った。
「……てか旅館焼き払ったのはホント?」
「まだ心配ですか?」
「……はい」
「優しいね、てかもう早く行かないと火事に巻き込まれますよ」
「え?!」
スダが指差す先、山火事が起きていた。
コメント
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第45話、読み終わりました……最後の山火事のシーン、本当にゾッとしました。スダさんのあの軽い口調で「火事に巻き込まれますよ」って言うのが、何より恐ろしかったです。ハルキが「死んだつもり」って呟いたところも胸に刺さりました。彼が辿ってきた苦しみの重さがじわじわ来ますね……次が気になります。