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#普通
野々さくら
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ありあ
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数年前、田原坂中学校。
教室に入った千歳を待っていたのは、異様な騒ぎだった。
「おぉ!来た来た!」鈴蘭が声を上げる。
「ビッチのご登場だよみんな?」
千歳は眉をひそめ、問い返す。
「ん?何の騒ぎ?」
「あれよ、あれ、見てみなさいよ」
千歳は飛鳥が指差す黒板に目を向ける。
「なに・・これ?」
そこには千歳が裸になり男性と性行為をしている写真が何枚も張り出されていた。
それはアイドルコラージュや、ディープフェイクなどと言われる加工が施されたものだったのだろう。
背格好は千歳と似ても似つかないものばかりだった。
千歳はその写真の一枚を手に取り、黙ったまま見つめる。
「これやばくない?ねぇ?みんな?」
鈴蘭の煽りに、周囲の女子生徒が呼応する。
「ほんとそれな」
「ビッチ千歳じゃん!ビッ千歳!」
「きゃはは!いいじゃん!ビッ千歳!」
千歳を見下すかのように高笑いするクラスメイトを尻目に、千歳は顔色を変える事なく、淡々と口開く。
「これ・・私じゃないけど?」
千歳が否定するが、鈴蘭は吐き捨てるように言い放つ。
「はぁ?こいつ何言っちゃってんの?
明らかにお前だろ?」
千歳は冷ややかに言い返す。
「加工したいならもっと上手くやりなよ
これとか特に、体型なんて私と全然違うし
切り抜き方も雑。こんなんでよく騙せると思ったね」
「ぁあ?」鈴蘭は千歳を見下ろし、鼻で笑った。
その態度に、周囲の女子たちは面白がるように声を上げる。
「じゃあ確認してみればいいじゃん」
突然の言葉に、千歳は戸惑った。
「確認?どうやって?」
一人の女子生徒が不敵な笑みを浮かべる。
「こうすんだよ」
その瞬間、数人の女子生徒が一斉に千歳へ詰め寄った。
鈴蘭は満足そうに頷く。
「そうそう、こうすれば一発でわかるじゃん」
千歳は必死に抵抗する。
「やめて!」
しかし、その声を気にする者はいなかった。
教室には笑い声だけが響く。
飛鳥は様子を眺めながら、興味なさそうに呟く。
「あ、ほんとだ、違ったみたいだね
ごめんね?勘違いしちゃった〜♬
でも悪気はなかったんだよ〜♬」
その言葉に、周囲からくすくすと笑いが漏れる。
千歳は悔しさと屈辱で震えながら、鈴蘭たちを睨みつけた。
「あんたら・・絶対に許さない」
震える声で絞り出が、鈴蘭は肩をすくめるだけだった。
「はいはい、言ってろ」
飛鳥も鼻で笑う。
「この中学じゃね、鈴蘭が絶対なの」
まるで当たり前の事実を告げるような口調だった。
鈴蘭は腕を組み、自信満々に言い放つ。
「そうよ!ここでは私がルールなの」
その言葉に、周囲の女子たちは誰一人として異を唱えない。
むしろ当然だと言わんばかりに頷いていた。
別の女子生徒が口元を歪める。
「それに従わないんなら、こうするしかなくね?」
千歳は唇を噛み締めながら、鈴蘭を鋭く睨み返した。
「お前ら・・・」
怒りだけは失わないその視線を受けても、鈴蘭は余裕の笑みを崩さない。
「まだそんな反抗的な目をするわけ?」
一歩、また一歩と距離を詰める。
「いいの?私が一声かければお前を
犯してくれる奴なんていーっぱい居るけど?」
静まり返った教室で、その言葉だけが重く響いた。
誰も止めようとはしない。
誰も助けようとはしない。
その場を支配していたのは、鈴蘭への恐怖と、それに逆らえないという諦めだけだった。
コメント
1件
うわ……読んでて胸がぎゅっとなりました。中学生の頃の千歳さん、あんな酷い目に遭ってたんですね。加工写真を張り出されて、クラス中から「ビッチ」呼ばわり…でも「これ私じゃないけど?」って冷静に返す千歳さんの強さが印象的でした。それでも最後の鈴蘭の「犯してくれる奴いーっぱいいる」って言葉には鳥肌が立ちました。誰も助けてくれない、あの閉じた空気がリアルで苦しかったです。×××さん、千歳さんの過去が今の彼女を作ってるんだな、と感じる重い回でした。続きも気になります。