コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
____こちらDillo本部、聞こえるか?132
番…………済まない、反応が無いようなので,
録音機能に切り替えさせて貰う…今我々が追い
かけている***sumo***がこの近辺で反応があった…
実に6ヶ月ぶりだ、調査をお前に依頼したい。
返事は後日まで…いい返事を期待しているぞ__
暗殺ターゲットとナイト
人里離れた静かな小屋に置かれた無線機が鳴る__
屋根や壁はボロボロで、穴の隙間から太陽の光が射し込んでくる
そんなに広くない小屋では、一人ボロボロのソファの上に腰をかけている人が居た
だらしなくふんぞり返った体は所々血だらけで、手当すらもろくにしていない
ボッサボサの長い髪は血が付着しているからか、ガッチガチに絡まっていて本来の髪の美しさが消えている
それをまとめて縛り上げ高く結んでいる
服すらもボロボロ
動きやすい黒のショートパンツに大きめの白いワイシャツを来ている
黒のブーツはしっかり紐が結ばれている
無線を聞いていた謎の人物はズキズキ痛む体を無理やり起こし、立ち上がるとソファの横に立てかけていたライフルを持ち上げ肩にかける
欠伸をしながら、無線機を取りしまうと
光が射す扉を手で押しながらどこかへ向かっていったのだ
__場所はここから南北部に位置する紫色の屋
根の工場だ。。どんな奴らがいるか分からな
い…慎重に__いや、お前なら大丈夫だろう。
報酬を用意して待っているぞ__
無線の言葉を無視しながら、いつもの調子でライフルを構え、目の前にある工場を睨みつけた
割れた窓ガラスの隙間から、大きな機械が小刻みに動作しながら動いている
ベルトコンベアで下から出てきた部品は、次の場所へと移動し、また移動。と繰り返しており、最終的に箱ずめにされ外へと出されている
ライフルの銃口は工場の中にある機械に向けられる
「……腹痛てぇ」
重たい音が辺りに響いた瞬間工場の中の機械の1部が大きく破損し、爆発がおきた
どこから沸いたのか、工場の服を来た作業員達が当然の爆発と音にどよめきながら、拳銃を片手に外へと避難している
その内、トラックが動き出す…
「逃がすかよ」
また1つ大きな音が鳴ると、既に動きだしていたトラックのタイヤが外れ、隙もなくもう2発打ち込まれる
バランスを崩したトラックは横転し、中に入っていた従業員達が慌てながらその場を逃げ出した
「…よし」
高い物陰から隠れていた人物が飛び出すと、工場の元へと徒歩で歩み寄っていく
強い炎を浴びた工場は、コンベアや部品が跡形もなく燃え尽くされている
視線をすぐ後ろに向けると、トラックが横転し、中から潰れたダンボールや、むき出しになった部品が飛び散っている
snowと彫られたネジを確認すると、先程まで1度も手をつけてなかった無線に初めて返事を返した
「見てるだろ?終わりだ。あとは好きにしろ」
無線を切ると痛む腹を抑えながら,どこかに向かって歩き始めた。
先程まで集っていた人間は、もう何処にもいなかった
「お疲れ様です132番…今回の報酬です」
既に崩れ去られた街の1部、誰も居ないこの場所の機械の前に立っていた
壁も屋根も破壊された建物は元々スーパーだったようで人が使っていた証が少しだけ残っていた
言い終わると、お金が差し出された
受け取ると、機械は必要最低限の電気を消費しないために、真っ暗に動かなくなってしまった
「少な」
ポケットにしまうと、近くの木陰に腰を下ろし体を休めた
腕を見ると、小刻みに震えている
呼吸もおかしい。
__そろそろか…。全く奴隷のような人生だ
やる事なす事全て無線から話しかけられ、誰にも会わずに金を受けとり、また次の仕事を待つ
体ももう限界だ。
全てはこの世界のsumoを無くすために…
一体どれだけの似たような人間が犠牲になったのだろう
小刻みにゆっくり呼吸をしながら、木の葉から差し込む太陽の光を、無意識にじっと見つめていた
「……いっそ楽に_このまま」
無線機の発信源は地下にある建物からだ
身を守る為地下に作られたと言われている…
sumoとは何か、それは簡単にAIだ
sumoを作った科学者は人間が快適に暮らして行く街作りを…と目指して作られたと言われている
初めこそはAIと人間の暮らしはいい結果を残していたが…その内,AIの暴走が錯乱してしまった
説で言われているのは…人間より頭が良くなってしまったことによる復讐__だと
sumoを作る工場は1つだが、部品はそれぞれ別々の工場から運ばれてくる
彼らの仕事はそれらの工場を見つけて、破壊させる…
これも全て、より良き世界のために
椅子に座った白髪のおじさんは、腕を組みながら大きなマップが移されたモニターをじっと見つめている
先程無線で伝えた工場は既に破壊され、調べているところ…
次に、モニターが写したのは、工場を破壊した人間の顔だ
横には132…と呼び名が描かれていた
男は不気味に微笑むと、マイク越しに研究員に告げた
「この男に新しい仕事を送れ…使える内に使い尽くすのだ」