最近、よく夢を見る。
まるで、暗い海の底にいるような……息苦しい夢。
あの子が、僕のことを忘れてしまう……いや、きっと忘れてはいないけれど、君の隣で、知らない誰かが笑っている、そんな夢を。
……可笑しいでしょ?君の隣に居るのは、僕じゃないと、だめなのに、
君の隣は、僕だけの特権なのに
その子の隣で笑わないで
2人でいる時の癖を、その子に見せないで
僕が知らない君の話を、その子に話さないで
だなんて、僕には言える権利なんて無い。全く、これっぽっちも。
……それでも、嫌なんだ、
君が、他の誰かのところに行ってしまうのが
君が、僕を忘れてしまいそうで怖いんだ
きみ、だけなんだ
本当に、信頼出来る親友は
だから、手を離さないでほしい、いやだ、ずっと……て、を……?
……いや、あぁ……そうか、そうだ……手を離したのは、僕じゃないか…
それなのに、未練がましいな…?
……手を伸ばせば、必ず届いたはずなのに
それどころか
何度も
何度も何度も何度も
君はこんな僕に、手を差し伸べてくれた
でもそれを振り払ったのは、
他でもない…僕自身じゃないか
あぁ、なんて滑稽。1人の馬鹿の、悲しい悲嘆劇
1度離した手は、振りほどいたあの手は……もう二度と戻ることはないのに。
それなら、意地なんて、はらなきゃよかった。素直になれば良かった。
でも、これ以上君に甘えちゃダメだと思ったんだ
君は、優しいから、きっと許してしまうだろう?
だから、だから…………自分から、離れたんだ
……あぁ、苦しい、胸が、息が、……君のいない、この日常が、
ごめんなさい、自分勝手で、ごめんなさい