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日比野家

それは代々保科家と共に防衛隊を支えていた貴族のうちの1つだ。日比野家は生まれてくる子は男だけであった為防衛隊男児排出率はダントツ。

だがある日女が生まれて来てしまった。その子は生を授かったその日から日比野家の厄児とされ生きている。名前は日比野カフカ。


可不可。


可能(道具)か不能(無能)か、使えるものか使えないものか計り知ることはできない。使えるならば道具となり、使えないのであればただのコマ使いも良いとこだ。



俺は、男しか居ない中で女が何になると両親祖父母や親族に生まれた事やその場にいる事だけですら散々責められ罵られてきた。

今記憶にあるのは俯いた時に見えた廃れている畳と引き連れられて縁者の前に出た時の真新しい色の畳だけで、従兄弟祖父母、兄弟。

挙句には肉親の顔ですら記憶の中には存在していない。

兄弟従兄弟には蹴られ殴られた。長かった髪を握り上げて引き摺られ、その果てに乱雑に切られた事も少なくはなかった。

その家ではカフカに人間の尊厳なんてものは最初からありもしなかった。

そんな中でも決してカフカは泣かなかった、唇を噛み締めてただ何も言わずにジッと眺めているだけだった。それが一層相手の威厳を削ぎ、いら立たせたのだろう日々虐めは加速していった、それでも見ても目を逸らし誰も止めようとはしなかった。

誰もカフカに興味などは全くないのだから。ただそこにいる存在。


意味はない。



ある日興味本意でなのか、揶揄うためかはカフカに推し量ることなどは出来もしないが従兄弟がカフカに長物で闘いに誘った、自身よりも弱く下の存在で弱いとそう思ったのだろう普段から虐め倒している。その罠と分かりきっているその誘いをカフカは断る事ができるはずもない。

「手は抜くなよ、どうせ何もできないだろうけど」

そう嘲笑い木刀を構えた相手、カフカは周囲で野次が飛び交い自分に対して後ろ指を刺されながら木刀を握りしめた。現状己が身を守る術はこの心許ない一切れの棒だけだった。

従兄弟の蔑んで笑うその視線を振り払うように首を僅かに振るった。


「始めッ!」


木製の壁床に響く乾いたその言葉を合図に軋む木板の床を踏み締める音が聞こえた、握る木刀を傾け向かってくる切先を己の刃先で反らし相手の間合いに入り込み体を下げて上に木刀を軽く振り上げた。

ゴッと言う鈍い音と同時に顎を叩き上げられたせいで相手は床へと沈んでいた。

着物の襟を正し木刀を下ろしカフカはその場を去った。

5分に満たない僅かな時間その間野次を飛ばしていた奴らも戦いを挑んだ奴も動くことはできなかった。結果カフカの圧勝で終わった。

カフカは今まで従兄弟兄弟に反撃も何も出来ないことを悔しがり己を憎んだ、己を見下す相手ではなく力がない自身を恨んだ。

カフカはその憤りを糧に全てを学ぼうとして全てを見て来た。戦い方や癖、呼吸を見て1人学んでいた。

基礎的な足運び呼吸法、木刀の流し捌き。それらを見てきた。

その日のうちに従兄弟が親に愚痴ってそれを両親が耳に入れたのだろう狭く暗いカフカの物置きの自室の襖を破る勢いで開け放ちカフカを文字通り引き摺り、日比野家で最強の叔父に会わせた。

白髪に特徴的な一族の末が割れた眉に深く皺が刻み込まれてた。

「躾けてやる」

と唐突に言い放つその言葉には怒りが露わなその声色に手が震え足も竦んだ。内心女であるお前が何故シャシャリ出る、引っ込んでいろ。とでも言いたいのだろう。

広い広い庭に連れて行かれて、武器を選ばされる。叔父は木刀一本に対しカフカは木刀槍棒と種々の武器が用意された。好きなものを幾らでも使えと暗に言っていた。

それ程までに危険で異常な事なのだ。

従兄弟兄弟は恨みを込めた目でこちらを見ていた「ザマァみろ」とでも言いたいのだろうか。初めてそいつらに殺意が湧いた。


昼間と同じように始めッの合図が夜空の星に消えていった。瞬時に聞こえる木刀が重なり合いこだまする。

それから何時間も過ぎて、暮れていた日が沈み満月ですらも落ちて広い空が茜に染まり始めた時それは終幕を告げた。

庭と言うよりも平地の方が正しいほどに広いその場所には砂埃が舞い、所々に赤い斑点が散らばっている。

その砂埃の奥で何物かが1人立っていた。

袴も額も切れてぼたぼたと血を流しながらカフカは立っていた。その傍には地面にひれ伏す叔父。カフカはボロボロになりながらも勝った。それは齢僅か12歳でのことー。


つまり日比野カフカは戦闘の天才だった。



その日を堺に立場が逆転しカフカを皆が持て囃し猫撫で声で近寄ってくるのを聞いた。ニコニコと上部の笑みが飛び交うことで異常さを身で感じた。

カフカの部屋に所狭しと置かれる身麗しい着物。切られて短くなってしまった髪には意味を齎さない色とりどりの宝飾で飾られた髪飾りや櫛、簪が一晩にして溢れ返った。

その光景は異様でカフカには恐怖にしか感じない。それらは日々増えていきどうする事もできずにただ保管する他なかった。

そんな日を送るのが嫌すぎてある日家を抜け出した。その時に保科の方に会い「日比野の家系の子だね。」「聞いたよ、君は叔父さんに勝ったんだってね」

あぁコイツもか、どいつもこいつも俺を日比野家の人間としか認識しない。この中に俺は存在していない…

「君はよく頑張ったんだね」

穏やかなその声が降ってきて大きな手で頭を撫でてくれた。あったかくて優しくて、この人には“日比野カフカ”がちゃんと見えてる。その事実が何よりも嬉しかった。

そうなの、凄く頑張ったんだ。

毎日辛かったの。

俺はそれらを変えたの。

やっと、それを伝えることができる。俺は

「つ、らかったぁ。」

そう言ってしまえばあとはボロボロと抑えてたものが全部溢れ出て結果カフカは街中で泣いた。大泣きしてしまった。

保科の方は急に泣き出したカフカに驚きつつも、ゆっくり抱き抱えて紅い硝子玉の簪を買ってくれた。

翌日貰った簪以外の簪は全て折った売ったはずだった。


これが防衛隊鬼神の日比野カフカの誰にも言わざる過去の御話。







ーーーーーーー✂︎キリトリ✂︎ーーーーーーーーーー

っていうカフカ女体化が見たかった為の冒頭シーンです。

多分続く筈です。


以下イメージ設定、イメージ画

その他紹介など。すっ飛ばしていただいても内容に支障はありません

主が思い浮かべてるこの作品内でのカフカちゃんのイメージ図(仮)と設定あげときますが、これじゃなくても全然大丈夫ですので好きな感じのカフカちゃんを思い浮かべてください。


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*防衛隊内部 調査表*   返却予定


全隊員記入必須書類

又この書類は防衛隊内でのみ使用のため門外他言である。

この書類は確認次第破棄する。

回答が不可能又は不明な場合「無し」とご記入お願い致します。


Q. 名前 A. 日比野カフカ

Q. 性別 A. 女

Q. 身長 A. 約175cm

Q. 体重 A. 最近測ってない故不明

Q. 趣味 A. 無し

Q. 隊番 A. 三番隊

Q. 隊位 A. 三席

Q. 苦手/嫌いな物事 A.

Q. 得意/好きな物事 A. 平和、酒



Q. 好きなタイプ A.


返却理由

未回答の部分が確認されました。

担当 小此木

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↓カフカちゃんイメージ画(仮)


画像 画像 いつも高い所でポニテ又は簪でまとめてる。

下ろせば腰あたり右側だけ横前髪を下ろしている長さは首下あたり。

左側は何かあった時のために視界が開けているようにまとめている。

普段はのらりくらりとした言い方で掴みどころが本当に無い。

酒が好き、ビールより日本酒派

紅茶とか洋風物も好きだけど、比べれば酒の方が好き。バカみたいに酒豪




って感じの女体カフちゃんです。

ここまで見てくださってありがとうございました!恐縮です…

この後なんやかんやあって保科副隊長と会って防衛隊入ってって色々なる予定のアレです。


要素としては保カフ、鳴カフ、レノカフ、キコカフ、ミナカフってとこじゃないですかね…

最終的には保カフか鳴カフになる御話。

もしくはその2人のサンド。美味しいね

カフカって可愛いよね、女体化カフカちゃんも可愛いね!

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