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風花🎧🫧🥀@中学受験生
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かんな
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「おい、マヨラァァァ!! 銀さんに高級糖分寄こしやがれチクショォォォ!!」
パトロールに出た土方と入れ替わるようにして、万事屋の旦那――坂田銀時が屯所に怒鳴り込んできた。
門番の制止も無視してズカズカと廊下を進み、いつも土方がいる副長室の襖を勢いよくぶち破る。
「おい土方ァ! 今日は国民全員が銀さんに糖分を捧げる義務がある日なんだよ! 分かってんのかこの――」
言いかけた銀時の言葉が、ピタリと止まった。その目が、限界まで見開かれる。
副長室の畳の上。
そこには、山崎の手によってこれでもかと積み上げられた、色鮮やかなチョコレートのピラミッドがそびえ立っていた。
「……は?」
銀時は絶句した。数秒間、彫刻のように固まった後、その死んだ魚の目が、嫉妬と羨ましさで一瞬にして真っ赤な業火に包まれる。
「……何これ。何ですかこれ。え? ここはあれですか? かぶき町の有名ホストのバックヤードですか? それとも何? チョコレート工場真選組出張所か何かですかコノヤローォォォ!!」
「うわぁぁぁ! 旦那!? いきなり入ってきて何大声出してるんですか!」
残務処理をしていた山崎が飛び上がって驚くが、銀時の耳には入らない。
銀時の脳内は、凄まじい怒りと嫉妬で爆発寸前だった。
(な、何なんだよこの量はァァァ!! 俺には一個も……新八と神楽のチロルチョコすら貰えなかったっていうのに、なんでこのマヨラーの部屋には糖分が溢れかえってんだよ! 贅沢だろ! 糖分への冒涜だろ! 糖尿病患者への嫌がらせかコンチクショウ!!)
しかも、それだけではない。
銀時の胸をチクリと刺したのは、昼間、路地裏で見た土方の姿だった。
あの時、土方はこんな他の女からの大量のチョコなんて目もくれず、ただ一つの『銀色の箱』を、今にも泣き出しそうな顔で握りしめていたのだ。
(あいつ、こんなにモテ散らかしてるくせに……あんな顔して、あのチョコ誰に渡そうとしてやがったんだよ。……いや、待てよ。まさか本当に他の女に渡す本命チョコだったんじゃねぇだろうな……?)
そう考えた瞬間、羨ましさとは全く違う、ドロドロとした独占欲と嫉妬が銀時の胸の奥で渦巻いた。
他の女から貰ったチョコの山も、土方が持っていたあの銀色の箱も、全部、猛烈に気に入らない。
「旦那! これ副長の命令で俺が全部食っていいって言われたんですから、指くわえて見てても一個もあげませんからね!」
山崎がチョコの山を庇うように両手を広げる。
だが、銀時はその山を指差し、ドスの利いた声で言い放った。
「あぁん? 何言ってんだよ山田クン。これはな……全部『俺のもの』だよ」
「はぁぁぁ!? 何言ってるんですか旦那ァ!?
あと俺山崎です!てかこれ全部副長宛て――」
「うるせーよ! 土方に届いた糖分はな、自動的にこの街の糖分統括大臣である坂田銀時様に献上されるシステムになってんだよ! 異論は認めねぇ! そもそもあいつはマヨネーズがありゃ生きていけんだろ! 糖分は俺が全部、責任持って胃袋に処分してやる!」
銀時はフンッと鼻を鳴らすと、山崎を力づくで押し退け、土方の座椅子にどっかりと腰を下ろした。
「おい山崎ィ、お茶淹れろお茶。銀さん今からこの山の解体作業に入るから。あいつが泣きながら帰ってくるまで、ここでじっくり居座ってやるよ」
土方の匂いが微かに残る座椅子に深く身体を沈め、銀時は目の前のチョコの山を睨みつける。
あいつが帰ってきたら、まずはこの女どものチョコを目の前で美味そうに食って煽ってやる。
そして――あの懐に隠していた銀色の箱を、力づくでも吐き出させてやる。
嫉妬と羨ましさ、そして割り切れない独占欲に身を焦がしながら、銀時は不機嫌極まりない顔で、土方の帰りを待つことに決めたのだった。
コメント
1件
うわ、銀さんの嫉妬がすごい(笑) 土方の座椅子にどっかり座って帰りを待つとこ、完全にヤキモチ焼いてるじゃないですか。あの銀色の箱を「力づくでも吐き出させる」って言い放つ独占欲、ギャグとシリアスの絶妙なバランスが大好きです。山崎がいいツッコミ役になってて、読んでてすごく楽しかったです!🍫