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今俺はカンちゃん(神のペットの鳩)に強くなるように言われたので真夜中の森をさまよってます。異世界に飛ばされた時はまだ昼だったんだけど、魔物を探してるうちに日が暮れてました
ここ魔物どうこうの前にすごい怖い。肝試ししたくなかったんだけど自然にやっちゃってる。それに明かりなんてものは当然ないからめちゃくちゃ暗い。目が慣れてきても先は全然見えない
これ魔物見つかる???
もし見つかったら心臓飛び出てもおかしくないぞ
「明かりとかないの?」
「お前|暗殺者《アサシン》。暗い環境で殺れ」
「あの~まだ僕ここに来て1日も経ってないんですけど~」
「わがまま言うな」
「スパルタすぎる」
「てゆうか、魔物いなくない?」
さっきからずっと森の中歩いてるけど魔物どころか動物すら発見できてない。ここ腐海じゃないよね???
もう足も歩き疲れてクタクタだ。早く魔物見つけるか休みたい。
カンちゃん厳しすぎない???
暗殺にこの環境はいいのかもしれないけど!!!!
俺まだ異世界に半日しかいないって言ってんの!!
「スキル使え」
「なんでそれを早く言わないんだよ」
「いらない、判断」
「スパルタすぎて泣きそう」
「カード。名前」
「これ?」
ステータスが書いてあるカードの俺の名前を触ると魔法・スキルという項目が出てくる
あれ?俺って全部の魔法とスキルが使えるはず……
スキル使えない訳では無いと思うが???
「俺って全部のスキル使えるんでしょ?」
「使えない」
「え?」(言ってることと書いてること違う)
「習得する、使える。魔法・スキル習得、ポイントいる」
「お前ポイント0」
なるほど…今のでわかったかもしれない(確信)
魔法やスキルは今1つも習得してないから使えない。そして習得するのにポイントが必要。だから、普通の人なら全部の魔法・スキルは使えないんだ。俺は神のバフによって全部扱える
え?じゃあ今の俺ただの雑魚じゃん!!
強くなったのは夢物語だったのか………
いや、ここから強くなってやる!!!!!
とにかくポイントを集めないといけないな
てか、カンちゃん俺がスキル使えないの知ってて言ったよな
「どうやってポイントって手に入るの?」
「レベル上げ」
(だから、レベルが無限に上がるのか。神に感謝を)
「だから、魔物狩らせてるのか」
「で、肝心な魔物ってどこにいるの?俺さっきから探してるけど見つからないけど」
「いる」
「え?どこ?」
「前」
「あ!ほんとだ!いた!でも、暗すぎて良く見えない…」
前の方に人型の魔物が動くのが見える。顔は人間慣れとはかけ離れており、俗に言うゴブリンだろうか
うわ!なんだこの匂い…
魔物に近づくと異臭が俺の鼻を突き刺す
姿かたち見えないのに迂闊に近づくのは危ない気がする
「どうやって倒せばいい?」
「後ろ近づいて、首折る」
「首折る!?正面からじゃだめなの?」
「正面、お前死ぬ」
「俺ってそんな弱いんだ…」(心折れそう)
「暗殺術ある、できる」
「暗殺術ってすごいな」
「あと1人」
「え?あ、おい! 置いてくな!」
あいつ俺の肩から高い木に移りやがった。俺の事1人にすんなって!下手したら死ぬぞ!
こんなところで死にたくない。とにかく気づかれないように慎重に行こう!!
「カーカー」
「!?」(あいつ俺のこと殺そうとしてる!?!?!?)
「ヴゥ?」
(ほら!言わんこっちゃない!気づいてんじゃん!あと少しなのに!!)
「いやぁぁーーー!!!」ピコン
ゴブリンに近づき後ろから首を絞めて折った…つもりだった。
首折ったと思った瞬間、ゴブリンが振り向いてきた
死んだ。これは死にました。俺は雑魚です。戦ったら死にます。言われた通りにやったんだけどな…
あの世でカンちゃん祟り続けよう
そもそも!!あいつが変に鳴かなければこんなことにはなってなかった!!
ふざけんじゃねぇぞ!!!一生呪ってやる!!
「…あれ生きてる?」
「え?ゴブリン死んでる。なんで?」
「うるさい」カン
カンちゃんに頭突かれたけど、気にできる精神状態じゃない
俺の目の前のゴブリンは俺の方を振り向いたまま死んでいた。何がどうなってるんだ?
ん?これ首折れてる。俺の勢いが強すぎて180°回転したんだ。(それはそれで怖い)
勘違いで良かった。ちゃんと殺ってた
なんでカンちゃんわざと気づかれるようなことしてんだ?言いようによっては態度変えてやる
「なんで、気づかれるようなことをしてんだよ!」
「逆、気づかれずに済んだ」
「は?」
「お前、我を見てない。我、ゴブリンの正面にいた」
「あー」
これは完全な俺の勘違いだったみたい
俺が後ろからゴブリンの首を折りに行ったが、カンちゃんは前からゴブリンの気を引いていたんだ
これは反省するべきか。思い込みが強すぎた
でも、紛らわしいことをしたカンちゃんも責任があるはず……でしょ
「やっぱ馬鹿」
「こいつ…」
「カード見ろ」
「え、カード?そんなん見たって…あ!」
「ステータス上がってる」
「HPが1083、MPが583。どっちも40上がったのか」
「スキルポイント?トリックポイント?なんだこれ」
カードにスキルポイント:3、トリックポイント:3。と表示されている。このポイントを使ってスキルとか魔法を習得するのか。ゲームみたいな仕組みだ
なんのスキルと魔法を習得すればいいんだろう???
どうせ全部手に入るから適当に決めてもいいけど、役に立つのから手に入れておきたい
「このポイント使ってスキルと魔法習得するの?」
「そう」
「どうやって習得するの?」
「スキルポイント、文字押せ」
「文字ね…なんかいっぱい出てきたけど」
スキルポイントとという文字を押すと項目が出てくる。探知能力・暗視・解析……etc
とにかくいっぱいある。でも見た感じ暗視は今ないと困るし真っ暗な森に明かりなしでぶち込まれてるんだから明かりがないなら暗視が欲しい
それに殺し屋なら暗い環境で殺らないといけないんだよな。でも、野外で殺る時あるか???
あー探知能力も欲しい魔物探すために何時間も歩いてたら足腰ゴリラになっちゃう
なんか項目の隣に数字書いてあるけどこれって消費するポイントのことか
「項目押す。習得可能」
「じゃあ暗視」ピコン
(暗視って3ポイント消費するんだ)
「音鳴った。ん?[暗視を習得しました]て、出たけどこれでいいの?」
「周り見ろ」
「え?…あ!見える!」
「あそこに魔物いんじゃん」
暗視のスキルのおかげで、暗くて前が全く見えなかった森が明るく見えるようになった。それに前が見えるようになったから魔物が見える。あれもゴブリンか。あんな姿してるんだ。なんか感動する
興奮してて忘れてたけどすごい疲れた。もうそろそろ寝たいんだけど…
「寝ていいですか?」
「殺れ」
「じゃあ少し休んでいいっすか?もう歩けない」
「殺れ」
「なら、座っていい?」
「わがまま言うな。殺れ」
「……」(パワハラでは?)
「早く殺れ」カン
「痛っ…わかりました」
パワハラが過ぎる
俺いつまで動けばいいんだよ!!
異世界行きたいとか行ったけど現実世界に帰りたい
休みをくれぇぇーーーー!!!
普通に働くより絶対辛いことしてるよね?
こんな生活嫌だァァーーー!!
「魔法、習得」
「あー忘れてた。魔法あった方が楽に殺れるよな」
「これもトリックポイントを押せばいい?」
「…」カン
「……合ってるのね」(なんでつつく?)
「ポチっと…項目出てきたけど何を習得すればいいの?」
火魔法・水魔法・風魔法…とか他にも体術強化とか色々あるな…どれも良く見えてしまう
これすごいな。消費するポイント120の魔法ある
今は習得できないけど使ってみたいな
「#空気銃__エアガン__#」
「|空気銃《エアガン》?BB弾発射するやつ?」
「アホか」
「それしか知らないんだけど…」
(この鳩口悪過ぎる。どんな育て方したらこうなんだよ)
「右下」
「あった。これ強いの?」
「使え」
「アッ、こちらの質問には答えないスタイルね」
「ポチっと」ピコン
「習得できたけどどうやって使うの?」
まず|空気銃《エアガン》空気銃ってなんじゃい?
俺はBB弾発砲するやつしか知らないぞ。懐かしい
子供の頃イキって使ってたなぁ…
この魔法、BB弾飛ばすだけだったらめちゃくちゃ無駄なんだけど
でもカンちゃんは色々知ってるしそんな方が使えって言ってるんだから弱くはないよね(希望的観測)
「構えて撃つ」
「本物の銃のように扱えと」
「当たり前」
「そんな言い方しなくても」
「知るか。殺れ」
………………………こいつまじか(´・ω・`)
とりあえずカンちゃんの言う通りに構えてみる(漫画で見た知識を生かす機会が来た)
頭に狙いを定めて…………撃つ パン
乾いた音がした直後にゴブリンの頭に穴が空き血が吹き出す
明るい中で見ると普通にグロい。だけど暗殺術使うより楽チンだ
「殺れた」ピコン
「ん?なんだ?[レベルアップしました]今のでレベルが上がったと」
[トリックポイントを3、手に入れました]
「あれ?スキルポイントない」
「スキルポイント、ランダム」
「毎回手に入らないのか…てことは」
「魔物狩れ」
「ですよね」ピコン
[レベルが1に戻りました](で、すぐに戻される)
「なんかレベル上がらないと強くなってる気しないな」
「雑魚、文句言うな」
雑魚なのは認めるけど……
ちょっとくらい文句言ったっていいだろ!!!!
カンちゃんと上手くやれる気がしない………
こんな罵倒されるのに慣れるのは無理だ。俺にそういう性質はないし逆に腹が立つ
いつか絶対に仕返してやる!!
恩を仇で返してやる!!!!