「——全部全部、渚ちゃんだからだよ」
その言葉を聞いて、息を飲む。
電気のついていない玄関で、私達は静かに見つめ合っていた。
全部が私だから……。花木さんが、まさか、そんな。期待しすぎちゃダメだ。きっと私が花木さん行きつけのコーヒーショップの店員だからとか、そんな理由だ。
どんどん自分の表情が険しくなっていくのが分かる。すると、花木さんの大きな手のひらが私の両頬を摘んだ。
「なんだか難しそうな顔してるね。何を考えてるのかな?」
「ちょっ……ほっぺやめてくらはい」
「渚ちゃんは放っておくと、思考回路がとんでもないところに飛んで行きそうだから心配でさ」
「……そ、そんなことありませんよ?」
「そう?」
「はい、そうです」
「……ところでさ、渚ちゃん」
「なんですか?」
花木さんは私の両頬を離すと、人差し指で自分の頬を掻き、言いにくそうに口を開いた。
「今日、僕が突然**************
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