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臣桜
2
#死亡遊戯で飯を食う
ユイ
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悠真はスマホの画面を睨み付けた。
帰宅した直後の脱ぎかけのスニーカーをそのままに、全てが停止した。
耳に入るのは遠くで響く車の走行音のみ。
それも夕方を過ぎたこの時間では少ない方だ。
「嘘だろ」
思わず呟き、すぐに左手に持つスマホを操作した。
ミサキさん、という着信画面に切り替わると同時に耳にスマホを押し当てた。
着信音が聞こえる中、焦る気持ちを抑えて家の中へ足早に入る。
電気を付け、カーテンを閉め終わった所で、着信音は留守電サービスへと切り替わった。
舌打ち1つ溢し、再度スマホ操作をする。
詩苑とのメッセージをひらく。
最後のやりとりは2日前。2人共休みだったため、遊びにでかけた。その時の最後の「また職場で」の詩苑からのメッセージ。
通話ボタンを押し、耳に当てる。
着信音が鳴るが、いくら待てども音は止まらない。
ちっ、と舌打ちとともに眉間の皺にも力が入る。
ヴゥーン、とバイブが鳴る。
画面にはミサキさんの文字。
「ミサキさん」
焦る声色そのままに声を通す。
『悠真くん、どうしよう
詩苑いないの。連絡も繋がらない』
泣きそうな焦る声が届く。
「いつから?俺、一昨日一緒に出かけてから連絡とってないんだ」
『、、分かんない。
でも、今日女の子達で飲みに行こうって約束してて、、。
みんな集まったけど、詩苑、、来なくて、、。
連絡も繋がらなくて、、。
沙織が家に行ってみるって、行ってくれたんだけど、詩苑いないみたいで、、。
今、店長に電話して実家に確認してくれるって、、。 』
「ミサキさんは今どこ?」
『夢ちゃんとふうちゃんと一緒に駅に』
「他の人には?
和人さんとか森山くんとか」
『和人くんは奥さんと実家の大阪に行るって言ってたわ。
翔くんは店長とお店にいたって。
、、みんな、詩苑と連絡取れてないって』
喫茶ヴェンガム、昼は珈琲や紅茶と甘味を楽しむ喫茶店。夜はBarに切り替わる店に悠真達は働いていた。
先日、Bar時間のヴェンガムに馬鹿達が暴れた。
暴れたってもんじゃない。
警察も突入し怪我人複数人が出た上に、店内備品が破壊された。
家具も壊れたし、酒瓶もグラスも食器も割れた。大惨事だった。
後片付けをしていた自分達に店長は店内改装すると宣言した。
木目調の店内にオレンジ色の柔らかい照明。古いが渋さもあって外界との遮断されたような、独特の空気感がとてもいい。
だが、水回りがいただけない。
古い、たまに変な匂いも出る。トイレも段差もある。
水回り改装、備品調達、争いに関した事情聴取など諸々の理由で約3週間の長期休暇が言い渡された。
休暇中の最低限の生活保障も賄ってくれると、従業員一同歓喜した。
長期休暇を機に、村山薫店長の友人で最年長の柿崎和人さん。コーヒーを淹れるのが上手くカクテルも上手だが下戸だ。彼にアルコールは天敵だ。与えてはならない。決して。
古参のミサキさん。再婚をした相手が三崎さんという悲しい事実に三崎美咲となった。
みんなで笑い飛ばした。茶化した。たまに今でも。
大津沙織、前の職場で同期だった彼女を悠真がヴェンガムに引っ張ってきた。
真面目が歩いているような優等生タイプ。カフェイン中毒かというほど、コーヒーを飲み、水がわりに緑茶を飲む。
森山翔くん、悠真と2個違いの年齢。襟足にグレーのカラーを入れている。
右手中指に指輪型、両耳朶にピアス型のタトゥーを入れている。
アレルギーでアクセサリーを付けられないから彫ったという。
長谷川夢花ちゃん、風花ちゃん、双子の20歳の女の子。非常に仲が良く、2つずつ全て共有しているらしい。髪の毛の長さでしか判断がつかない程2人は似ている。
そして、大月詩苑。家庭の状況があまりよくないとの理由で高校生の頃から1人暮らしをし、薫店長が世話をしてきた子だ。
喫茶時間のアルバイトから今は正社員となった。長く働いている。
悠真の片想いだが、中々関係は悪くないと思っている。
西山悠真。もうすぐ30歳が見えてきた。
前職の営業をしていた時に行きつけとなっていたヴェンガムに拾ってもらった。
同じようにストレスがすごく悩んでいた沙織に声をかけた。
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コメント
1件
第1話、一気にグッと引き込まれました…!悠真くんの焦りがスマホ越しにビシバシ伝わってきて、胸が締め付けられる…😭💔 詩苑ちゃんがどこに消えたのか、何があったのか、全然予想できなくて続きが気になりすぎます。それにヴェンガムのスタッフ同士の絆や一人ひとりの背景も丁寧に描かれてて、これからの関係性の変化が楽しみ…!片思いの行方も含めて、めっちゃ応援したくなるエピソードでした🌸✨