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さて、と。私がゴリゴリの初心者みたいな防具だからカモだと思ってた奴らをアルナさんの試作品でボッコボコにしたわけだけど、これでアイツら三人倒したから私は30ポイント持ってるって状況になるが他の人たちはどんな感じなのかな?

ウィンドウを開いてイベント関連の項目から現在の順位を確認する。一位は『ヒカル』という人物で私が初狩りを対応してる間に彼か彼女かわからないけどこの人は10人近く倒してるっぽい。現時点でのポイントは180ポイントと18人をサクサク倒してるみたいだ。是が非でも会いたくない人物なのは確かだな。その下は150ポイントと結構惜しい漢字で続いてるけど、これからこのポイントもインフレしていくんだろうなぁ…。ま、とりあえず私は第一収縮まではこの辺で待ってるのがベストかな?何度でもチャレンジ出来るとはいえやっぱり負けるとストレスは感じちゃうしなによりこの場所を誰かに譲るのだけはしちゃいけないからね。高台からなら狩人で狙撃し放題だからそれを私が未然に防いでるってことにしとこ。

「ふぁわぁ〜あ……。そうなると私やる事ないなぁ。退屈しのぎとして誰か来ないかな…いや、来るよなぁ絶対。だってこの遺跡っぽい場所優秀だもんな。」

アルナの試作品である爆発細剣バーストレイピアを鞘から抜いて眺めていると後ろから足音が聞こえ振り向くと大剣を担いだ赤髪の女性が一人こちらに歩いてきていた。

「どぉよここ?いい景色でしょ?お姉さん隣に来てちょっとのんびりして行かない?」

座りながら後ろからやってきた彼女に対して声をかけるが、返答はそんな友好的なものでは無かった。

「私がそういうことを好む見た目に見えるか?」

「ん〜…見えないからこそ誘って見た感じ?出来れば私としてはあなたとは争いたくないんだよねぇ、圧倒的に強そうだし?」

「私とて初心者を痛め付ける趣味は無いがこうして会ってしまった以上申し訳ないがポイントになってもらう。」

「え〜、また初狩りかよォ。アンタみたいな正々堂々と戦いをしてくれそうな見た目の癖にそういうことしちゃうのかァ…。やっぱり人間見た目に騙されちゃあいけないのなぁ」

「…私は貴様の戦闘の一部始終をしっかり見ている。あんなふざけた強さを持つ初心者など私は知らない。少なくとも、私が始めたての時はあんなイカれた動きは出来なかった」

「私だってそこまでイカれた動きしてないよ?多分それこの武器のおかげなわけで私が特別強いわけじゃないって。」

ここまでの会話のラリーで互いに一定の距離を保ち様子を見る。赤髪の女は常に大剣を振れるようにし、ミーシャは座って上半身のみを相手に向けているような態勢だが確かに警戒は怠っていない。

「そこまでの強さを持ってるのになぜ貴様はこの場を動こうとしない?」

「…理由は単純。今ポイントを貯めたところで狙われるから。こういうのは潜伏しておいて後で一気に狩りとるのがベスト。漁夫の利みたいなもんかな?で、貴女はその見た目と今の言動的に結構交戦する感じ?」

「イベントに参加した以上上を目指すのは当たり前だ。しかし私は貴様のように最終的に入れればいいという安定志向ではなく向かい来る的全てを正面から相手し実力で倒してこそ真の強者であり、上位陣に入るべき人材だと思ってる。」

「結構な思想があるんだねぇ?まぁ、そうだとしても私は武士道とか騎士道とかよりも『勝利』という最終的な目標を達成出来ればその過程は余程非道なことじゃない限り何してもいいと思ってるんでね。」

「その初心者の格好も策のひとつか?」

「これはガチ初心者だからこの装備なんだよね。私二週間とか前に始めた人で偶然出会った人に武具を作ってもらうためにお金が必要でそのお金稼ぎでイベント参加してるって言う人なんで、ぶっちゃけトップテンに入れればなんでもいいやって感じ。」

「…なるほど。では、今ここで私にやられても貴様の策では特に支障もないんだな?」

「まぁ、そうなのかな?」

「では、私のポイントになってもらう!」

「それは嫌だなぁ?」

その発言を皮切りに赤髪の女は距離を詰めて体験を横に薙ぎ払う。その攻撃を避けるために遺跡の上から飛び降り爆発細剣バーストレイピアのジェット噴射を使い擬似的に空を舞い赤髪の女の後ろに降り立つ。

「大剣なのに随分と軽々しく扱うねぇ?」

「私は『傭兵』を選択しスキルによって大剣を片手剣のように扱えるようになっている。その分火力は下げられているが別のスキルや魔法を使えばその辺は補える。」

「なるほどコイツは恐ろしいことこの上ないかも。」

「それよりも貴様の今の動きの方が不思議でならない。それはスキルか?魔法か?それとも貴様が選んだ職のワザのひとつか?」

「ぜーんぶ違うかな。これはさっき言った武具の作成をお願いしてる人から貰った試作品の武器のひとつだね。この武器のおかげで殺人的な加速を手に入れたけど代償で制御がほぼ不能なのと今のジェット噴射に魔力を使用するため私の職『剣士』にはちょっと合ってない感じの武器だよ。 」

「ピーキーな性能をしてる武器を扱う貴様もだがそれを作ったプレイヤーも中々にイカれてるな。」

「イカれた鍛冶師作成のイカれた武器をこれまたイカれたプレイヤーが使いこなすカロリー高めのぶっ飛んだ奴が今目の前にいるんだから、しっかり脳内に焼き付けてけぇ?」

軽く武器を回したあと刺突の構えをとった瞬間ジェット噴射を発動し赤髪の女の腹部を捉える。しかしすぐさま彼女は大剣を盾のように扱い刺突を防ぐ。

「……ぐっ!?中々に、勢いのある攻撃だ。これは確かに『殺人的な加速』と言っても誇張のない威力だ。」

「私としてはコレ防がれるのは予想外なんだけど?」

「私の使うこの大剣『炎竜の牙』はファストリア南門の先から稀に出現するファイアドラゴンを倒すことで確率で手に入るドロップ品でね、この大剣と同等の性能のものは恐らく今話題の『ヒカル』という人物の片手剣くらいしかないだろう。」

「つまり、このFDファンタジアドラゴン内で現時点一番強いと思われる武器って訳か…。そりゃ防がれちゃいますよねぇ?けど、私はそれを知らされたとて諦めたり絶望はしないよ?それよりもそれを扱える貴女なら今の私の実力知るのにベストな相手な訳だ、気が変わった!この勝負勝ちにこだわらずやれること全て出して倒れなかったら大人しく負け認めてやられることにする。」

「やれること全てを出し切る前にアンタは私にやられるんだよ!」

防いだレイピアを大きく弾き蹴りを入れて距離を空ける。そしてそこに間髪入れずに大剣を振るい炎の斬撃を複数飛ばして思考や相手のやりたいことを封じに行く。

(なるほど…この人マジで強いひとだ。名前は知らんがこれだけの実力者なら有名人に違いない。で、この人の口から漏れたヒカルという人物、この人が恐らくNo.1プレイヤーに一番近い人か。勝算はゼロに等しいからこの戦闘以降は今回のイベントでは会いたくないな。ま、今はこの人の相手を全力でやってそれから考えよう。私牽制の蹴りで体力三分の一削れてるし雑念は捨てないとね。)

目の前の敵に集中するため雑念を全て捨て飛んでくる斬撃の対処を始める。先程まで使っていたレイピアを即座にしまいウィンドウから別の剣を取り出し斬撃に対してその剣を使い切り裂いていく。

「ほぉ?炎の斬撃に物怖じせずあげくに切り裂くとは…。 」

「…これはまた別の試作品。クワガタみたいに真ん中が割れてるデザインの刀身だがこの真ん中がこの武器の一番の特徴。魔力を流し込むことで火の魔法が発動し刀身全てを炎で包みながら揺れる炎が剣の形を作り出す。」

「斬撃を切れたのは同じ炎なため吸収しながら切れたということか。」

「そのとーり。まぁ、試作品なのであまり多くの炎は吸収できないし長い間使ってるとオーバーヒート起こして使いもんにならなくなるみたいだから長期の使用は不可。さらに言うとこの剣で使える属性は火属性のみという事。別の属性使いたいならまた別の剣を出さないといけないって言う工程を挟まないと行けないんだよなぁ…。」

「魔法剣士のアイデンティティを奪う発明ではあるがやはりデメリットが多くみられる。そんな試作品たちばかりだして本当にやりたいことを全てやれるのか?」

「やれるかどうかじゃなくて、やるしかないんだよ私は!だって、勝てねぇからね!」


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