⚠️特定の国を賞賛する、政治的な意図は決してございませんのでご了承ください
⚠️史実とは一切関係ありません
⚠️私の妄想です。
こんばんは
最終回です。
⚠ATTENTION⚠
・BL
・ロシドイ
・🔞ではない
・なんでも許せる方向け
独→ドイツ
露→ロシア
では、どうぞ⬇
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
雨上がりの午後。
マンションのベランダに干した洗濯物が、風に揺れている。
ドイツはソファに座り、書類を閉じる。
いつもならすぐ話しかけてくるはずのロシアが、今日はやけに静かだった。
キッチンでは、しょんぼりした背中がドイツに背を向けて皿を洗っている。
大きな白い耳が、いつもより元気がない。
独「ロシア?」
呼ぶと、ぴくっと耳だけが反応し、ロシアが振り返った。
露「……なんだ?」
その声が思った以上に沈んでいて、胸がちくりと痛んだ。
きっかけは、昨日のこと。
ドイツが仕事帰りに、職場の同期・女性と帰るところをロシアに見られた。
露「すげぇ仲良さそうだったからさ……」
ぽつりと漏れる言葉。
露「別に……俺がいても、いなくても、ドイツは困らねぇよなって」
耳が垂れる。尻尾も力なく落ちていた。
その姿が、ふだんあれだけ元気なロシアとは思えないほど弱くて。
ドイツは、息を飲む。
独「……なんで、そんなこと思うんだよ」
露「だって。ドイツが笑うの、最近その人と話す時だけだったし。 俺が『一緒に飯行こう』って言っても、お前……なんか避けるし」
独「…………」
図星だった。
避けていたのは——ロシアの態度に自分がドキッとするのが怖かったからだ。
でも、ロシアは違う意味で受け取っていた。
露「だから……邪魔なのかなって。 人間の友達の方がいいよな。俺、元犬だし。耳も尻尾もあるし」
独「ロシア……」
露「俺が近づくと、最近いつもドイツ顔そむけるし。 “触るな”って思ってるんだろ?」
——そんなこと思うわけがない。
ドイツは口を開きかけ、しかし言葉が出てこなかった。
その沈黙を、ロシアは“肯定”だと受け取ってしまう。
ロシアは一歩引いた。
眉を下げ、少し笑って見せる。
露「……わかった。 これ以上ドイツを困らせたくないから、距離置く」
ロシアがそう言って、いつもの笑顔とは違う弱い笑みを浮かべた瞬間——
ドイツの胸の奥が、ぎゅっと急に掴まれたように痛んだ。
なんだ、この感覚は。
ロシアが一歩、ゆっくり離れる。
そのたびに、胸の中の痛みが強くなる。
喉の奥が詰まり、呼吸が浅くなる。
独『……ロシア、どこ行くんだよ』
思わず手を伸ばしかけて、途中で止まる。
触れたら、みっともなく縋り付きそうで。
でも、触れなければ、二度と戻ってこない気がして。
独「……いやだな」
声にならないほど小さく漏れた本音。
しかしロシアには届かない。
ロシアはもう、目を伏せたまま背を向けようとしていた。
その背中を見た瞬間、ドイツの胸にひどい音が響いた。
独『離れる……? なんでそんな簡単に…… なんでそんな顔するんだよ……』
苦しい。
意味もなく、不安が渦を巻く。
独『……なんで俺、こんなに動揺してんだ』
自問したとき、初めて気づきの波が押し寄せた。
——なんでだ。
なんでこんなに胸が痛くなる?
なんでロシアが他の誰かに愛想を向けると腹が立つ?
なんで今日みたいに、落ち込んだ顔を見るだけで息が詰まる?
独「……なんで、こんな……」
ドイツは思わずつぶやいた。
するとロシアが振り返る。
露「ドイツ?」
独「離れるって……簡単に言うなよ」
露「え?」
独「俺は……お前が傍にいないと、嫌なんだよ」
気づいてしまった。
昨日からずっと胸を占めていたものの正体。
独「……嫉妬してたんだ。ロシアが誰かと仲良くしたり、笑ったりするのが嫌だった。
それで勝手にイライラして、勝手に不安になって…… で、お前を避けた。…最低だよな」
ロシアの耳が、ゆっくりと上がった。
露「嫉妬……?」
独「嗚呼……他の誰かにロシアを取られそうで。 いや、お前は犬っていうか……その……元犬で、俺より色んな人に懐くだろうし。 でも、それがめちゃくちゃ嫌で……」
ドイツは深く息をつく。
独「……俺、お前が好きだ」
言ってしまった。
もう誤魔化さない。
誰かのせいにも、状況のせいにも、しない。
独「ただの情とか、同情とかじゃない。 動揺して、嫉妬して、避けて、後悔して…… 全部ひっくるめて、俺はロシアが好きなんだ」
言い終えた瞬間、ロシアは目を大きく開いて固まった。
耳がぴん、と立つ。
尻尾もふわっと広がる。
露「……ど、ドイツ……?俺の、聞き間違いじゃねぇよな?」
独「言わないと伝わらないだろ。 お前は俺の特別だ。 ……他の誰にも取られたくない」
途端、ロシアの尻尾がブワッッと揺れた。
露「っ…ドイツ!!!」
勢いよく飛びつかれる。
体温がぶつかり、ドイツはよろめいてソファに押し倒された。
独「ちょ、重……っ!」
露「ごめん!!でも無理!!俺もずっと好きだった!!ドイツに避けられて死ぬかと思った!!」
独「死にはしないだろ……」
露「するんだよ!心が!!」
ロシアが涙目で訴える。
その必死さが愛しくて、ドイツは小さく笑った。
独「……バカ。 俺も、お前が落ち込んでると胸が痛かったんだよ」
ロシアの耳がまたぴこんと動いた。
露「じゃあ、ドイツは……俺のこと……」
独「好きだって言ってるだろ」
露「…………」
ロシアは、ゆっくり、ゆっくり笑った。
犬だった頃の無邪気さそのままに、人の形のまま幸せそうに。
露「俺も、ドイツが好きだ。世界で一番」
独「世界って、範囲広いな」
露「ドイツが望むなら宇宙にしてもいいぞ!」
独「いやいいよ……」
馬鹿みたいな会話のくせに、胸が満たされていく。
ロシアはドイツをギュッと抱きしめたまま、耳元で低く囁いた。
露「もう離れないからな」
独「……はいはい」
本当は“離れないで”と言いたかったけど、ドイツは少しだけ照れくさくて言えない。
でも、ロシアは全部分かっていた。
尻尾をゆっくり揺らしながら、ドイツの胸に顔を埋める。
こうしてようやくーー二人は同じ気持ちに辿り着いた。
誤解も嫉妬もすれ違いも全部、
「好き」で上書きされていく。
雨の日に拾ったサモエド・ロシアは、
今日、ドイツの「恋人」になった。
「拾った捨て犬が、ある朝人間になっていた」
完結ーー。
✂︎——————キリトリ線—————–✂︎
おかえりなさい〜
ロシドイ、完結致しました✨
シリーズものを終わらせたのは初なので、達成感すごいです…。
次は何書こうかな……パラ日帝の甘々系求婚物語、ロシアメのシリアス系病気パロ、ソナチの恋愛系ラッキースケベ多め話のどれか…。
いずれは全部連載するので、順番に投稿しようかな。
《リクエストについて》
現在リクエストはお断りしています。 今いただいてもお答えできませんのでご了承ください。
では、閲覧ありがとうございました!
追記:やべ、最後のタイトルの名前ミスりました。すみません
コメント
2件
わぁぁぁ!!素敵!!!😭😭😭 まじで良かったです。ロシがドイツを思って自ら距離を置こうとしたのも、それが不器用さ故なのも、最後の方で世界で一番!ってゆっくり笑いながら言えてた所も全部好きです!! これから2人は、何度もすれ違って何度もぶつかるんでしょう。 しかし!愛の力で乗り越える気がします! 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!! こんな神作をありがとうございました!!🤗🤗
やったぁ☆ハッピーエンドは嬉しいな☺️