直樹に掴まれた手が熱い。
「冗談じゃないって……」
直樹の言葉に全身が心臓になったみたいに激しく脈打ちだす。
「言葉の通りだけど?」
聞き返す私を微かに鼻で笑う。
直樹の挑発的な態度に、真っ直ぐ見つめてくる眼差しに、すごくドキドキして目が離せなくなる。
そして引き込まれそうになる。
でも……
「そういう冗談は本当にやめて」
蓮くんの顔が過ぎり、ギリギリのところで平静を取り戻し直樹の手を振り払う。
「だから冗談じゃないって……」
「私、彼氏が居るの!」
一向に引かない直樹の言葉を遮るように言葉を重ねるように言い切る。
私の言葉に直樹の表情が一瞬固まる。
でもすぐに軽く息を吐くように含み笑いを漏らすと
「だから?」
全く動じないといった様子で言葉を投げ返してきた。
「――え?」
私は動揺を隠しきれなかった。
彼氏が居ると分かれば直樹の態度も変わるかと思いき****************************
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