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屋敷に戻った俺はアッシュを呼び出す。
「アッシュ、あの屋敷で冊子を見つけた。君はこの冊子は何についてのものだと思う?」
「冊子に書かれた名前はどのようなものでしょうか?」
「グッゲンハイムを始めとした歴史的にアルヴィアンと関係が悪い貴族たちだ。手元に残す価値のある名前の一覧か。何に彼らは関与したのだろうか?」
「その冊子に名前が載っているのは全て貴族の名前でしょうか?」
「一部は裕福な商人だ。もっともアルヴィアンと敵対する貴族の支援は受けている。」
「ならば、彼らに探りを入れる方法はございますよ。」
「確かに王宮主催の晩餐会には当主様が全員来るだろうが、時間が足りないだろ?」
「当主様に探りを入れる必要はないと言っているのです。」
「まさか、貴族や裕福な商人の子弟が通うアカデミーに入学しろと?」
「その通りです。」
「はっきり言って気が進まない。だが、残念ながら他に手はなさそうだ。アカデミーへの入学はどれくらいで準備できる?」
「アルヴィアン候爵家の次期当主の入学を拒否することはないでしょう。ただこちらで準備することもあるので10日ほどいただきたいと考えております。」
「ところで入学試験はあったか?」
「ええ、本当に基礎的なことしか出題されませんが。」
「そうか、書類の提出や入学試験の手配は頼んだ。さて、俺は今日はもう寝ることにする。明日も俺は勝手に起きてくるだろうが、もし起きてこなかったら起こしてくれ。」
俺はそう言って寝室に向かう。アッシュフォード夫妻、つまり俺の両親の寝室は今も当時のままだ。俺は最後のアルヴィアンだが、昔と同じ部屋を使っている。俺が部屋を移動するのはおそらく全てが終わったときだ。つまり両親の死の全ての真相が明らかになったときだ。
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