・:.。.・:.。.
「彼を兵庫県知事にするためにこれからわが社は力を貸すことになります、今あなたに挨拶するためにこっちに向かっているそうです、しばらくオフィスでお待ちください」
その日はめったにない秋晴れの気持ちの良い日だった、最上階の会長オフィスで鈴子が星占いのサイトを見ながらアシスタントの榊原に言った
「どうして私が、駆け出しの知事候補のために足を止められなきゃいけないの?」
不機嫌な鈴子に榊原が笑いながら答えた
「それはZ党の総裁に彼を応援してほしいと言われてるからですよ、後々彼を総理大臣にでもするつもりじゃないですかね?」
鈴子はプイッとそっぽを向いた
「総理大臣なんてただのメディアに叩かれる役割を果たしている内に、裏で法案を通すための人形よ」
ごもっともとばかりに榊原が言う
「まぁ・・・彼がそうなったら可哀想ですけどね、40歳にして彼はすでに弁護士として輝かしい業績を上げた後、ご自身のYouTube政治番組で60万人の指示を受けているそうですよ」
「ええ?兵庫県の人口より多いじゃない!」
鈴子は驚いて言った
「今、メディアは世界各国からひっぱれますからね、ただし、世界中から指示を得たとしても必ずしも票に結びつくとは限りません、結局はメディアを動かせても、票を入れるのは地元住民、土さ回りしなきゃいけないのでうちの資金を当てにしてるんですよ」
「その知事候補の名前は?」
榊原が答えた
「姫野浩二」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!