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私)あのっ、ここから出してくださいッ!!
扉を力いっぱい叩きながら先程の店員に訴える
…..応答はない
私)店員さんッ!私をここから出してくださいッ!
何度も何度も扉を叩き訴える
手からは血が出始めようとしていた
シューーーー
私)な、なんの音?
よく耳を済ませるとガスが出ているような音がする
私)(もしかしてっ、睡眠ガス?!)
ガスが放出するような音は少しずつ大きくなっていく
そして私の意識が少しずつ朦朧とし始めた
私)(どうにか逃げ道を、、探さないとっ、)
辺りを見回しても鉄格子で見えない窓と防音性のある壁しかない
チャリンチャリン__
店の扉の鈴が微かに聞こえた、足音を聞く限り2人ほど人が来たようだ
私)(っ、誰か…来た?)
???)あの〜、髪が短くて少し子供っぽい人来なかったかのぅ…..?私たちの連れなんじゃが。
???)そいつ、この店に入ったと思って来たんだが、なんか知らねえか?
私)(ピクルと、ルルア…?)
店員)ふむ、知りませんなぁ。うちは小さい店なもんで、お客の顔は覚えてるんですがねぇ。力になれませんなぁ。
私)(声…出さないとっ、)
立つことも困難になってきていたが声を出すことだけに集中する
私)ル’ル”ア”ッ、ピクル”ッ。助けでっ、
思ったように声が出せず、出せたとしてもとてつもなく小さい声だった
ピクル)…んっ?なんか今聞こえなかったか?
ルルア)そうかい?どんなじゃ?
ピクル)なんか、呼ばれた気がするんだが、
店員)…そうですかな?私めには何も聞こえませんでしたが。もしかすると、最近部屋の方に爪研ぎのあとがありまして、猫の仕業でしょうかね?
店員は少しも表情を変えずにスラスラと言葉を言い放つ
ピクル)うわぁ、そりゃ大変だなぁ。まあでも猫は可愛いから俺だったら許すけどな〜
店員)お優しい方ですなぁ。
私)(ま、まずい。前が、見えなくなってきた)
時間が経つにつれてどんどん視界が暗くなっていく
そして今何も見えなくなり、それと同時に恐怖と不安が私を襲う
私)(怖い、怖いよ。)
ルルア)……それじゃあ、他のとこを探しに行きますわい
ピクル)世話になったな。そんじゃ、おっさんも頑張れよ〜!
店員)探している人が見つかりますように願っておきますよ
チャリンチャリン__
扉の鐘がなる
2人は出ていってしまった
私)(誰か…助けて)
バタバタバタ
先程まで全く気にならなかった足音が窓から鳴り、ふと私の耳に入る。
その音はどんどんこちらに向かってきている
私)(誰かが…こっちに。)
誰かの話し声が聞こえる
それはピクルとルルアだった
ルルア)(ボソッ)ピクルっ!中に水を流してちょうだい
ピクル)(ボソッ)わかった
(ボソッ)ウォータートランスポート
窓から少しづつ水がこちらの方に流れ込んでくる
水面には小さな木のようなものが浮いている
私)(なんだろう、これ、)
気になった私はそれを手に取る
ルルア)(ボソッ)よしっ、それずっと掴んでて
私)…?わ…かった
何処かから声がしたが、意識が無くなりかけているせいかそんなことはどうでもよかった
なんで返事をしたのかさえも分からなかった
ルルア)ふう…
ルルアがそう唱えると私が掴んでいた木がゆっくり育っていく
周りの水は部屋の半分は締めていたが木に吸われどんどんなくなっていく
やがてその木は部屋の天井を壊し穴を開けた
不思議と音はならなかったがそんなことを気にしている暇はなかった
ピクル)(ボソッ)ほらっ、早く掴まれ
上の方でピクルが私に手を差し出してくれていた
私は意識が朦朧とする中、必死に手を伸ばした
ピクル)捕まえたっ。ほら、行くぞ
ピクルは私の手を引き、フラフラする私の体をおぶってその部屋を後にした
そんな中ルルアは私たちにはついて来ず、立ち止まっていた
ルルア)ピクルその子を連れて木陰にでもいてちょうだい。私はちょっとすることがあるわ
ピクル)…りょーかい
私とピクルはルルアから離れていく
ルルア)ふふっ、よくもやってくれたわねぇ。ちゃーんと、お礼…しないとね