テラーノベル
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✤この作品に政治的意図は一切ありません
✤女体化、旧国、百合注意です
✤忠実ネタあります
✤戦争表現がありますが、戦争賛美ではありません
✤🇺🇲×🇯🇵、🇺🇲×🇯🇵☀️の話
✤この話では🇯🇵=🇯🇵☀️となっています
✤グロい表現があります
✤接吻表現があります
___それでもいい方のみお進みくださいね?
✤✤✤✤✤✤
「好きだなぁ…」
目の前のキミが首をかしげた。
一つの記憶が呼び覚まされる。
今でも鮮明に覚えてる。
赤珊瑚に墨色の爪。透き通るような白い肌に、華奢な躰。顔に映された旭日。
どこを切り取ったとしても、完璧で。パーツにズレすら見当たらなかった。
___そして、極めつけはあの声だ。
あのコの声帯から発せられる音は言葉では表せないほど綺麗で、わたあめのように溶けてじわじわと甘さが増してゆく。
数十年前、あたしとあのコはある会議室で初めて会った。
会った瞬間にビビッと電流が体に走ったような感覚がしたのを覚えている。
「…こんにちは。亜米利加殿」
「堅いなぁ…まあ、いいや。 よろしくね、大日本帝國陸軍。」
一音一音を繋げた華美はあたしの心を痺れさせる。
あたしに向かって送られた音色というだけでも頭がおかしくなりそうであるにも関わらず、初対面故の引きつった笑みは神の右手で描いた傑作そのものだった。
「開国したばかりの未熟者ではあるが、精一杯頑張っていこうと思っている。 どうか兄弟をよろしく頼む。」
「ok!よろしくね!」
こうして、日帝は正式に連合国側に入ったのだ。あたしはこんなに綺麗な国が自分たちの陣営にいることに高揚感が抑えきれず、黒い革手袋越しにキスを落とした。
「な…っ!?」
ちゅっ、というリップ音に伴い、一瞬で頬は真っ赤に染め上げられる。どうやら彼女はスキンシップに慣れていないらしい。てっきりモノクルが教えていると思ったのだが、開国して間もない国には到底考えられない文化のようだ。
「You feel nervous?」
「shut up.」
緊張しているかを聞いただけで黙れと返されたが、気にしない。それがただの照れ隠しであることくらい見て取れる。
「キミとは仲良くしたいと思えるよ、あたしはね」
「…そうか」
甘酸っぱい声玉を舌でねっとりと味わい、歯で挟んで咀嚼する。本当にバリバリと噛み砕く感覚があるみたいで、片頬が強張り不自然な笑みが浮かぶ。
「何を笑っている。嬉しそうな顔して」
「ん〜…内緒!」
普段会えないからこそ愛おしく思うことだってあるでしょ?それとおんなじでさ、海軍と航空隊にばっかり会うからあたしは退屈でたまらないわけ
「そんなにジロジロ見ないでくれ…」
「sorry…」
どうやら視線が集中していたらしく、流石と言うべきか陸は警戒の色を宿し、コチラを見つめた。ほんの数秒だけ視線が交わる。
「それじゃあ、私はここで。」
射るような眼差しを向けていた陸が痺れを切らしたのかそっぽを向いてしまう。特に何もなく、普通のことをしているような素振りであったのに警戒心が強い。咄嗟に手を掴み、引っ張った。
「ぁ…待ってッ!!」
「…ッ!?なんだ…!!」
びっくりしたじゃないか!!と怒られたが、右から左へ流れていく。頭は赤面している目の前の国のことでいっぱいだ。少し、上に向いて、泣きそうな顔を作る。
「dinner…行こうよ、おねがい」
「dinnerか…夕食な…」
何かに縋るような幼き少女の顔。日帝の瞳に映っている幼少期のあたしを眺めて、すらりとした手に指先をつつつ…と滑らせるとくすぐったそうに肩を震わせた。
「行くから…離してくれ…」
「thinks! empire of Japan!!」
「都合のいい奴だな…全く…」
着いた先はちょっとばかし有名なアメリカンな場所。ここならあのモノクルも来ないだろうし、自国の自慢もできる。ナイトデートにはうってつけの場所
「キミさ、英語話せる?」
「先程英語で会話したのを忘れたのか…」
「そうだったね〜!」
こうやって、わざとキミが食いつく話題を持ちかける。そうすればキミはあたしと長く居れるし、あたしと一緒に過ごせるっていう贅沢も味わえるもん。 心にそう言い聞かせる。今度は捨てられたくない。目の前にいるキミを見て、目を細めた。 口を開ける
「ねぇ、キミはなんでイギリスと同盟を締結したの?」
「…強いて言えば、海があんな笑顔を向けるのを初めて見たから…だな」
気になって聞いただけの単調な質問。あのモノクルは無視を決め込み、目線すら合わせてくれなかった。でも、慣れた様子でナイフとフォークを扱うキミは目線を落としつつも答えてくれたんだ。
「答えて、くれるんだね…」
「?貴殿が質問してきたのだろう? 答えるのは普通だ」
「そう…ありがとね」
「嗚呼…?」
不思議そうにこちらを伺った。ただそれだけだったのに、キミだから愛おしくて目が痛いのかな?目に入れても痛くない。なんて昔の人はよく言ったものだが、どうやらあたしの方が正しいらしい
「…こんなに可愛いと思ったのは久々だよ」
キミに聞こえないか聞こえるかぐらいの紛れもない、なんともないただの独り言。なのにキミは顔を食紅で染めたかのように紅潮させた
「きこえちゃった…?」
「…こっち見んな、くそやろう…」
「かあいい…♡」
「…ふん」
そっぽを向いて拗ねてしまうのも可愛くてたまらない。その風船ガムのように膨れた頬にはあまり食物は入らなさそうだ。本当に可愛い
「もう、かえる…」
聞こえていたのだろう。それだけ言って、机に100ドル札を置いて帰ってしまった。こんなにいらないんだけど…やっぱり、聞こえてたのかな?
日帝から貰った紙幣、あたしの引き気味な笑みを覗くようなレンズが反射したことに気づくことなく、あたしは店を後にした
これが日露戦争が起こる数ヶ月前の話。あのコと関わっていく度に、あたしは取り返しがつかないような道を歩いている感覚がする。
「亜米利加殿…ここについて聞きたいのだが…」
「亜米利加さん、これこの間のお礼だ。受け取れ」
「亜米利加?全くお前もまだまだお子様だな…?」
いつしか、キミは不可欠になっていた。あたしの中に黒くてどろどろした片栗粉を水で練ったみたいな気持ち悪い塊ができて、ストッパーをかける理性を蝕んでゆく。
「亜米利加、少しいいか?」
「なあに〜?」
「今度、ロシア帝国がそろそろ攻めてきそうだったから攻撃して追い返そうと思っている。何かあれば…イギリス殿と止めてほしい」
「…うん!任せなよ!」
イギリス殿…あたし、嫉妬してるのか。あんな奴、今のあたしなら余裕で殺せる。でも、キミに嫌われたくないから、殺さない。キミの悲しい顔を見れるなら…否、殺さなくていいか。
2月8日。とうとうロシア帝国の南下政策に抵抗し、日露戦争が起きた。どうやら海とやらが率いる海軍がロシア帝国の艦隊を降伏させたらしい
「大丈夫、大丈夫…ロシアとの戦争さえ終われば…」
ロシアさえ居なくなれば…日英同盟解消へ近づいているという事実に顔が歪む。そろそろ、交渉させる頃合いかもしれない
「あと少しで勝てそうだ…」
「あと少し…あと少し…」
「Stop.日本、もうおしまい」
「ぇ…なぜ?」
支援物資をモノクルから得ていた陸は終戦を強いられたことに疑問を持ったらしい。まるで人間が空を飛んだのを見たかのように目をまん丸にしている。
「これ以上すると、何かが起こる気がするから」
「…わかった、亜米利加が言うなら…」
ああ…可愛い。モノクルから支援を受けているのにも関わらずあたしの言うことを聞いちゃうところ。本当に可愛い。そんなんだからあたし以外の国からなめられちゃうんだよ?
「亜米利加の言う通りにしよう」
「うん、じゃあ早速ロシアと交渉しよっか」
「嗚呼…」
少し不服そうで、少し安心したようなキミの頭をゆっくり撫でると、嬉しそうに目を細めた。ゴロゴロと喉がなった。
「ん…」
「すっかり列強国だね、日本」
「ありがとう」
“ありがとう”
その言葉があたしの奥底で反芻して、ゆっくりと満たしていく。とろり…と蜂蜜が注がれていくみたいに温かくとろけるような甘みが染みていく。
「どういたしまして」
照れ隠しで語尾が変音したが、キミは気に留めていない様子で安心した…のも束の間。“ふっ…”と思い出し笑いのようにキミは失笑した。
「もう…笑わないでよ…」
「あまりにも、可愛らしい乙女だったからな」
赤珊瑚の瞳が笑う。小さな肩を震わせて、楽しそうに。
「ねぇ…日英同盟って解消できる?」
なんて、聞けなかった。
12月8日、とうとう予想していた事が起きた。
大日本帝國。真珠湾攻撃。
暗号を解読してすぐの事で、あたしのとこの軍もここまで早く攻撃してくるとは…と驚きの声を上げた。
「なんでよ…日本…日本…」
「あたし…何かやっちゃった?」
届かないこの独白はどんな味がするのだろう。キミ不足だから、ただ塩っぱいだけかもしれない。だから、今口いっぱいに広がる塩味も、霞む視界も、この独白のせいだ。
「大日本帝國は、国際連盟を脱退します。」
「ここには居られない…」
そう告げたキミはどこか嬉しそうだった。まるで鳥籠から脱走した鳥のように、どこまでも、どこまでも、飛んでいってしまうように。
「本当に、それでいいのですね…」
かつて、あたしを奴隷のように扱ったモノクルが言った。
「…はい」
キミは少し下を向いた後、真っ赤な赤珊瑚を煌めかせ、はっきりと答えた。
「常任理事国は…もう3カ国しかいないのよ…?」
「…そうなんですね」
何処か他人行儀のキミを横目に、ニヤつきが収まらぬ国がいた。まるで道化師のように分厚いお面を被っているが、下から溢れる上機嫌そうなオーラは隠しきれていない。そういや、コイツも日本の後に脱退したんだっけ。
「…もとを辿れば…貴方達のせいなのに。」
それだけ言い残して、キミは本部から退室していった___。
1944年9月15日。
パラオ ペリリュー島にて。
米軍と大日本帝國軍守備隊が激突した。
「あ゙ め゙ り゙ が ぁ゙ ぁ゙ …ッッッ!!!!」
傷だらけの躰を引き摺り、銃と日本刀を手に、あたしに向かって突き進まんとする様子。
「…りく、どうして…こうなったの?」
単純でありながら、とても重みのある疑問。
「ゔる゙さぁ゙ぁ゙…ッッッ!?」
あたしに刀を突き刺そうとした途端、あたしの部下は目の前で発砲した。血なまぐさい匂いが立ち込め、思わず噎せそうになった。
「もう、イタリア王国は降伏したのに…」
「なんでキミはそこまでして戦うの…?」
あたしに従えば、こんな思いしなくて良かったのに。あたしの想いを、素直に受け止められたはずなのに。
「…ばな゙ずづも゙り゙な゙どな゙い゙ッ゙ッ゙ッ゙!!!」
濁点混じりのソレに、蜂蜜の甘さなんて存在しない。あたしより大切なモノなんだ…と思った。
「守りたい人ができれば、貴殿も変わるさ」
そう言ってくれたのはキミだよ?
変えてくれたのはキミだったのに。甘酸っぱい声玉も、とろとろの蜂蜜も、今はない。
「ねぇ…もういいんじゃないですか?」
モノクルが縋るように言った。
「私、アイツのこと裏切るつもりだし。」
ウシャンカは煩わしそうに言った。
「…でも、でも…あたしは__」
1945年8月9日。
日本の土地から黒煙が上がる。
キミは所々焼き爛れ、右腕は千切れていた。
「…やっと、終わりだ…」
「ぁ゙…い゙や゙…だぁ゙…ッ゙」
這いつくばって、匍匐前進してくる。あまりにも、痛ましい姿。なのに、何処か愛おしい。
…ぢゅ゙っ゙
「ぁ゙…ッ゙?」
「い゙や゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙あ゙あ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙ぁ゙あ゙…ッ゙ッ゙!!!!」
口内に広がる鉄、紅、鉄。唾液と共に広がるキミの味。白銀とレッドベリル。混ざりに混ざっては、味を打ち消し合う。
「すき…ずっと、ずっとまえから」
返事はなかった。
1945年 8月15日。
大日本帝國、降伏。
「すきだよ…陸…」
もうすぐで日本の継承国が変わるんだって。
モノクルが言ってたからきっと本当のこと。
「ぞゔが…ッ゙」
「わ゙だじも゙だぁ゙…ッ゙!」
赤珊瑚が笑った。傷をも思わせない、無邪気な笑顔。ガラガラな声だけど、蜂蜜のような蕩ける甘さは変わらない。万感の思いに浸ってしまう。
「キミも…まだまだ子供じゃん…」
「…ぞゔがも゙な゙…ッ゙」
「…好きだよ、亜米利加。前からずっと…」
はっきりそう言った気がした。
1951年、日米安全保障条約 締結
「Hello~!Japan!」
「こんにちは、アメリカさん」
目の前でにっこりと微笑んでくれたのはかつてあたしを殺そうと藻掻いた陸。
「こんな風に人間は平和を創るんですね」
「…そうだね」
キミは話し方から仕草、さらには顔すら変えてしまった。今はあたしの側で、次にくるであろう“冷戦”に備えている。横を見れば、片方にはあたしのベニトアイト。もう片方は陸のまんまで、赤珊瑚が宿っている。
「私達なら…やれますよ」
「そうだね___“陸”」
あえて昔の呼び方をする。そうすればキミはみるみる顔を紅く染め上げて、音を上げるのだから。
「その呼び方は禁止で頼む…っ」
恥ずかしそうにする。実際は継承国という命名がされただけで記憶も躰も健全なんだと…あのモノクルやりやがったな…カスなの忘れてた…
「もう…昔みたいな関係ではないのだから…」
「うん、そうだね!」
互いの薬指に輝く白銀のリング。そこには二人の思い出が詰まっていて、価値の重さが冷えた金属とはまるで違う。あたしの、あたし達の、全部がココに詰まってる。
「…またここに来ることができて、嬉しいです」
「そうだね、あたし達だけの場所だもんね〜」
日本の、千本桜が誇るこの美しい桜の吹雪。戦後から1年が経過する度、ここに来ていた。
赤珊瑚、ベニトアイト。薄桃色の爪に艶のいい墨色の睫毛。まるで粉砂糖のように白い肌、滑らかなウエストと顔に映された日の丸。
「好きだなぁ…」
目の前のキミが首を傾げる。
やはり、パーツにズレはない。神から精巧に創られた人形のように今もなお、蜂蜜のような声玉を贈り続けるキミ。
「へへ…あいしてる」
「私も… 貴方のことで胸がいっぱいなんですよ、本当ですから」
歯に挟んで咀嚼したのは、黄色の琥珀糖だった。
✤✤✤✤✤✤
どうでしたかね?
今回少し原型を結構いじってまして…気に入っていただけたら幸いです…!!
今回のアメリカは少しお菓子がでてくるように意識してみてます!!…というのも、私少しメモっておりまして…
こんな感じでメモってはいるんですよね
甘い表現を意識した結果“蜂蜜”とか入れてるんですよね〜
語るのもこのくらいにしましょうかね。
次回は少しリメイクから離れて番外編みたいなモノを作ろうと考えております!!
一応受験生なんですがね…まあ、もうすぐ卒業ですから、卒業したらバンバンとまでは言いませんが、頻度は上がるかなと…
そしてありがたいことに、
フォロワー様が60人いきました!!!✨
もうびっくりですよ…!!
とにかく、ここまで読んでくださりありがとうございます!
また次回!!さよなら〜
レモンティー🍋☕
722
#明太子に食われる鈴木
明太子に食われる鈴木
3,572
明太子に食われる鈴木
6,212
コメント
2件
天才の神様ですか? この小説は何度でも読めますよ!!
天才だぁぁあ!!! 「蜂蜜」とか色々素敵な表現に魅了されました!! 続き待ってます!!