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第57話 加速するすれ違い

未来を見る〈時空魔法〉を得た理世。

その日の夜、眠りの落ちる直前に〈砂時計〉の天板にある時計の長身と短針が動いているのを見た。

(ここ……王宮の広間だ……)

ベッドで眠っていたはずの理世は、なぜかそんな場所にいた。

自分の意思で移動できる気配はなく、理世の目は――ジェイドの横顔が映っていた。

周りには、何度か見たことのある貴族たちがギャラリーとなっているのも見える。

「……この女は、僕の傀儡くぐつだ」

冷たいのに、どこかヒステリックな声。

今までジェイドの口から聞いたことのない声に、理世は戸惑いを覚えた。

(傀儡……って、私のこと? 傀儡って……操り人形とか、そういう意味だったよね)

言葉の意味を理解しようとするより前に、理世は目の前のジェイドに反射的に恐怖を感じる。

――自分の知っている、ジェイドではない。

理世は、そう思わ********

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