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King
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眼の前に運ばれてきた天丼
ホカホカと湯気を立てるそれから目を離さずに割り箸入れに手を運ぶ
きつね色に揚げられたナスやかぼちゃ、キスにエビなど沢山の具材
白いおコメの上にはてらてらとタレが艷やかに輝いていた
どう食べようか、エビは最後かな、このだし汁は茶漬け風にするためにあるんだな
尻尾はいつも通り食べようかな、なんて少しワクワクしている
揚げ物故そこそこ待たされて不機嫌に暴れる腹の虫をどうどうと収めながら
適当な割り箸を一膳手に持ち、割ろうとした
すると、向かいで海鮮丼を食べていた父が、そういえばというふうにこんな事を言いだした
「海老の尻尾を食べて、腹に穴を開けて死んだ人がいるらしいよ」
今から天丼を食べようとしている人にそんなことを言っておいてすました顔で酢飯を頬張る父
彼は俺が尻尾まで食べることを知っている、
なんなら彼自身が食べているのを見て俺も食べだしたことさえも
それだっていうのにわざわざこのタイミングで言うことだろうか
ぽかんとした俺を見て、父は促すようにこちらに手を向けた
「食べないの?」
正直言って何なんだと思ってしまった
脅すだけ脅しておいて食べるも食べないも自由だと言っているのだ
「…性格悪…」
小さく悪態をついて割り箸を割る
失敗
食べ終わった丼には、何も残っていなかった
まじエビのしっぽ食っちゃう派やねんけどみんなどう?
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