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狩りと狩られ。その中間に位置する、恐怖と積怒の呼吸を響かせる。晃一は、その全身の血液を破裂させるかのように踊った。


「お前が、お前がやったのか。……お前のせいだ、お前のせいだ、お前のせいだ! 全部、全部、全部、全部!! お前なんかと付き合って結婚したのが間違いだったんだ! 俺の人生をどれだけ狂わせたと思っていやがる! 返しやがれ! 返せ、返せ、返せ! この五年間!

俺の人生! 俺はお前を呪ってやる! 末代までなんて言わず、お前ただ一人にその全てを背負わせてやる! この先まともに生きれるだなんて思うなよ! 永遠と付きまとって、お前を必ず終わらせてやる!

俺を殺しやがったんだ、お前は! 社会がそれを許すなら、俺がその社会を変えてやる! この社会、この世界からお前の居場所を消してやる! 地球の裏のジジイから実子に至るまで、全人類、全生物がお前を嫌う! 殺す、殺す、殺す! 何千何万何億! 死んだって関係ねえ! 腐ろうが関係ねえ! あろうことなら、大発明でも果たして、脳だけで永遠の時を生かしてやる! 痛覚だけの人生を与えてやる! 絶対に、絶対に。俺はお前を許さない!!」


人は追い込まれた時にこそ本性が出るとよく言うが、その時そこにいたのは本性なんて言葉では言い尽くせない、もっと狂気じみた何かだった。エゴとも違う。

そもそもそれらの言葉は、私へ向けられているようで、彼自身の保身のために存在していた。だらだらと続けられたそれらは結局、義務教育がなくとも要約できるような稚拙な言葉。


凄まじい執着こそ伝わるが、残念なことにそれ以外には何もない。


「今日は帰って。そして、二度と来ないで」


晃一は顔を下げた。再び私の瞳を見つめる時、それは虚しさの漏れ出たものになっていた。

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