テラーノベル
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終業時刻後、私は館長に交渉へ行った。
少し調べ物をしたい。
館長はそれを承諾してくれた。 私も戦争についての資料を調べたかったのだ。
片っ端から本を取りだし席へ着く。
恐る恐るページを開くとそこには戦争の悲惨な写真や、被害の有様などが綴られていた。
私は必死に、これは千年前の話だ。
たとえ今戦争したらどうなるか分からない。
そんな考えを必死に鎮め、他の資料にも目を通した。
気がつけば一時間ほどが経過していた。
大変だ。
夕飯に間に合わなければと急いで本を片付け館長にお礼を言う。
いつもは使わない少し割高な料金の高速空中列車に乗り急いで帰宅することにした。
何とか家族のルールである夕飯は家族揃って食べることを達成するべく家に帰り、食卓へ着くともう、兄も父も帰宅していた。
私は少し言い訳をしながら、夕食をとり始める。
なんだかいつもよりも静かな食卓に、兄が沈黙を破った。
「そういえば、戦争の噂聞いた?」 母も、父も噂について知っていたようだ。食事をとる手が完全に止まっていた。
兄が続けて言葉を紡ぐ。
「俺、この前までポコリンポス星に留学に言ってたヤツから聞いたんだけどさ」
と、そこまでいいかけた時父が声を荒らげた。
「その話はよせ」
家族の食器を動かす音だけが食卓へ響いた。
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