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昼間に帰って来るのは珍しい事ではない。翌日に、遠出の仕事の場合は、昼間帰りが絶対だ。家に着いてすぐ、翌日の準備をした。編集長に渡された資料には、午前3時に志津駅西口の、コンビニ集合と書いてあった。7泊8日のうち、6日が取材、残りは観光だった。一通り資料を読み、忘れ物が無いか確認し、午後4時過ぎに眠りに就いた。
目が覚めたのは、午後11時。クソ眠い…が、仕事はしっかりしないと減給になるので、重い体を起こした。こんな夜中に、スーツを着るのは何時ぶりだろうか。時計の針が1時を回った時、玄関から叩く音が聞こえた。いつものだ、家賃が安いと理由で事故物件に入居した。3年ほど前に、この部屋で自殺があった。振られた女性が、出刃包丁をお腹に刺し、お腹にいた赤ちゃんと心中したようだ。彼女の霊は、午後9時ぐらいにドアを叩く。今日は珍しいなと思いつつ、家を出た。
「行ってきます。」
ドアを叩いたのは、見送りだと勝手に解釈し言った。
午前3時の20分前に、集合場所に着いた。レアルさんは、黒いスカートと白い上着をの格好らしい。僕は、コンビニで夜食を探していた。おにぎりを選んでいたら、肩を優しく叩かれた。
「大蛇咲良君ですね、この度はよろしくお願いします。私、霊能者のレアル・アスファと申します。」
レアルさんだ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。レアルさんですね。何か食べますか?出しますよ。」
「それでは、お言葉に甘えて♡」
レアルさんは想像していたのと違って、自分より高く、スタイル抜群の女性だった。霊能者というもんだから、不気味な雰囲気だと思っていたのは間違いだった。妖艶で華やか雰囲気の彼女は、おにぎりを4つ選び、僕のカゴに入れた。