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るしゅ
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第2話 開いた部屋
二階の扉は、ゆっくりと揺れていた。
ギィ……ギィ……
風のせいか、それとも——
陽菜
「……誰か行くの?」
誰も動かない。
沈黙。
その中で、拓真が舌打ちした。
拓真
「このままビビってても仕方ねぇだろ」
湊
「一人じゃ危ない。俺も行く」
紫苑
「……俺も行く」
蓮
「……」
蓮は何も言わず、静かに立ち上がった。
圭吾
「じゃあ俺も」
結局、6人で二階へ向かうことになった。
残りはホールに残る。
階段を上るたび、音がやけに大きく響く。
ギシ、ギシ。
古い木の軋み。
廊下は薄暗く、奥が見えない。
問題の扉は、右側の一番奥にあった。
半開きの状態で、ゆっくり揺れている。
湊
「……開いてるな」
紫苑
「さっきの音、これだよな」
拓真が一気に扉を押し開けた。
バンッ!
全員が身構える。
——誰もいない。
部屋は寝室だった。
ベッド、机、クローゼット。
ただ、それだけ。
圭吾
「……何もない?」
湊
「いや、なんか変だ」
紫苑も気づいた。
この部屋だけ、妙に“整いすぎている”。
まるで、誰かが最近まで使っていたみたいに。
机の上に、一枚の紙が置かれていた。
紫苑
「これ……」
手に取る。
そこには、震えるような文字で書かれていた。
『逃げられない』
『ここには“もう一人いる”』
紫苑の手が止まる。
湊
「……なんて書いてある?」
紫苑
「……誰かのイタズラかもしれないけど」
紙を見せる。
圭吾
「は?」
拓真
「もう一人ってなんだよ……俺ら12人だろ」
その時。
後ろで、蓮が小さく呟いた。
蓮
「……13人目」
全員が振り向く。
紫苑
「え?」
蓮
「この屋敷に、最初から13人いたとしたら」
圭吾
「いや、そんなはず——」
蓮
「数えたか?」
一瞬、言葉が詰まる。
確かに、ちゃんと確認したわけじゃない。
ただ「12人くらい」と思い込んでいただけだ。
湊
「……いや、でも普通そんな——」
蓮
「思い込みは危険だ」
蓮はそれだけ言って、窓の外を見た。
その横顔は、いつも通り無表情だった。
その時。
下から、叫び声が響いた。
陽菜(遠く)
「いやああああああ!!」
紫苑
「っ!?」
湊
「下だ!」
全員が階段を駆け下りる。
ホールに戻ると、空気が一変していた。
陽菜が床にへたり込んでいる。
震えながら、指をさしていた。
その先。
廊下の奥。
半開きの扉の向こう。
床に——
誰かが倒れていた。
紫苑
「……嘘だろ」
ゆっくり近づく。
足が重い。
心臓の音がうるさい。
扉を開ける。
そこは物置のような部屋だった。
そして。
床に倒れていたのは——
修司だった。
ピクリとも動かない。
目は開いたまま。
喉元には、赤黒い線が一本。
まるで、何かでゆっくり切られたみたいに。
真白
「……やだ……」
玲奈
「……死んでる」
誰も声を出せなかった。
まだ、始まったばかりなのに。
もう一人、いなくなった。
紫苑は気づく。
修司の手。
何かを握っている。
震える手で、それを開いた。
中には——
小さな鍵があった。
その瞬間。
紫苑の背後で、誰かが小さく笑った気がした。
振り向く。
誰もいない。
全員、青ざめた顔で立っているだけ。
ただ一人。
蓮だけが、静かにその鍵を見つめていた。
まるで——
最初から知っていたみたいに。
第2話 終