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久しぶりの病院。
白い診察室。
医者の静かな声。
「……かなり進行しています」
その言葉を、涼ちゃんは黙って聞いていた。
驚きはなかった。
もう、自分でも分かっていたから。
診察室で聞く数字も、
医者の表情も、
もう嫌なくらい慣れてしまっていた。
「……そうですか」
小さく笑う。
その反応に、医者のほうが少し苦しそうな顔をした。
「藤澤さん」
「はい」
「本当に、誰にも言わないつもりですか」
少しだけ間が空く。
それから涼ちゃんは、
困ったように笑った。
「……だって、あの2人優しいから」
「絶対、無理するじゃないですか」
その声は穏やかだった。
でも、
どこか諦めたみたいでもあった。
「最近、ちゃんと薬飲めてますか」
「飲んでますよ」
「睡眠は?」
「まぁまぁ」
嘘だった。
眠れない夜の方が多い。
でももう、細かく説明する気力もなかった。
診察が終わり、家へ帰る。
静かな部屋。
涼ちゃんはゆっくり片付けを始めた。
服を畳んで、
床を掃除して、
写真を箱に入れて。
普段なら絶対こんなに綺麗にしないのに、
今日は不思議なくらい手が止まらなかった。
掃除なんて苦手だった。
若井にも元貴にも、いつも「部屋汚っ」って笑われてたくらい。
全部終わった頃には、
部屋は別人みたいに整っていた。
次回合計10000
ちょっと時間をくれ。