テラーノベル
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プルルルル…
次から次へと鳴り止まない電話の音
内容は全て、あの男の事件について
警官「はい。どうしました…え?立て篭もり!?」
大声で叫んでいたのでその声はイギリスにも聞こえていた
🇬🇧「立て篭もり…?」
警官「お前も見に行くか?後輩の最後を」
ロ「…しくった!」
部屋の中にいる大量の社員
右手にはナイフ。左手にはガスバーナー
下には灯油が置いてあり、これから何をするのかが一目瞭然だった
ロ「まさか…人質に?」
🇫🇷「半分正解かな。僕はこいつらと運命を共にする」
置いてある灯油の入れ物を蹴り、
空いた口から灯油が流れ始める
ロ「…社員と共に死ぬつもりか屑め…」
🇫🇷「どうせ死ぬなら最期くらい派手に死のうと思ってね。彼らは脇役さ」
ロ「そんなことをして…許されると思うか!」
🇫🇷「馬鹿じゃないの?それが許されるかどうかなんて僕の勝手だ」
今のフランスに何を言っても通用しない
そう確信したロシアは
ロ「…ならここでお前を殺してやる」
今までは「防衛」に徹していたが、ここから本気で奴を殺すつもりで戦う。例え自分が捕まっても
🇫🇷「ほぉ…ファイナルラウンドの始まりだ」
🇧🇷「ねぇ聞いた?フランスさんの会社。立て篭もりが発生してるんだって」
🇲🇽「しかもその犯人が社長って…何を血迷ったんだ?」
🇨🇦「ちょっと見に行ってみない?」
夕日が沈もうとしている中、大学の帰り道に仲良く話す3人。彼らにもこの事件の噂は耳に入っていた
🇧🇷「ちょっ…ちょっとだけな?」
現場に向かうと案の定、沢山の人溜まりがあった
噂によるとまだ社員がいるとのこと
🇨🇦「こりゃひどいな…」
「か、カナダ!?」
この声は…数十年ぶりに聞いた。僕がずっと会いたかった
🇬🇧「なんで…こんなところに?」
🇨🇦「お父さん!」
こっちのセリフだった。捕まっちゃったはずの
お父さんがなんでこんなところに…
それよりも再会の嬉しさが上回り
🇨🇦「お父さん…僕ずっと会いたかった!」
🇬🇧「私もです…元気で何よりです。大きくなりましたね」
身長こそ大きくなったものの、あの優しい笑顔は変わらないままだった
🇬🇧「…あれ?アメリカは?」
🇨🇦「わかんない…」
🇦🇹「よし!我々も着陸し、屋上から侵入するぞ!」
ヘリポートに着陸し、銃を持った部隊が非常階段を伝って社内へと侵入する
会社の構造は伝えられており、非常階段の先は人質がいる社員達の部屋に繋がっている
また、フランスがいる所には繋がらないという
構造になっている
🇦🇹「気をつけろ…構えろ…」
バタンッ!
勢いよくドアを開ける
大きな音に社員達は驚き、音の方向へと体を向ける
その音は、フランスやロシアにも聞こえていた
🇫🇷「ちっ…非常階段から攻められたか」
🇦🇹「もう安心してください!大丈夫ですよ!
さぁ落ち着いて」
逃さんとばかりに部屋へ駆け込もうとするフランスをロシアが後ろから掴み、妨害する
ロ「オーストリア!頼む!」
急いで人質を避難させるオーストリア一行
恐怖で動けなくなった社員もいたものの、
2分もしないうちに彼らを非常階段へと連れていくことに成功した
🇫🇷「クソッ…」
ロ「もう終わりだ!観念しろ!」
🇫🇷「でも…終わりなのは君のほうじゃない?」
ロシアの鳩尾を後ろ足で蹴り、傷がまだ癒えてない肩を殴る
ロ「あっ…ぐっ…」
傷口を刺激されたことによりロシアは益々苦しむ
🇫🇷「はぁ…こうなっちまった以上…」
ガスバーナーで火をつけ、灯油につける
辺りは火に包まれ始める
🇫🇷「おら起きろよ」
ロシアの胸ぐらを掴んでひきづる
ロシアは未だ動けない
「こいつを人質にするか」
🇦🇹「こちらオーストリア!社員全員の救助に成功しました!」
🇳🇱「よし!後はロシア次第だが…!?」
トランシーバーで会話してる中、突然人質がとらわれていた部屋の窓が開く
出てきたのはフランスとロシアだった
フランスはロシアにナイフを突きつけ
🇫🇷「残念だったなぁ!人質は救ったつもりでもまた人質が出てしまったようだねぇ!さぁ君たち…どうする?」
窓が開いた部屋から黒煙が出ている
彼らが死ぬのは時間の問題だ
🇦🇹「なんだよまたかよ!」
🇭🇺(部下)「もう一度突入しますか?」
🇦🇹「ダメだ!今は火が充満してる!あそこなら着く前に一酸化炭素中毒で死ぬぞ!」
🇭🇺「そんな…」
🇨🇦「ねぇ…どうなっちゃうの…?ロシアさん死んじゃうの?」
🇬🇧「警察官の皆さん!行かないんですか!?」
警官「俺たちの手では無理だ。消防隊を呼んでいるが…あと15分ほどかかる」
🇬🇧「15分ならロシアは死んでしまいます!」
警官「そんなことを言ったって…突っ込んだら死ぬだけだ…」
誰もが諦め、燃えている会社をただ静観しているだけだった…
しかしーーー
「そこを退け!」
野次馬の人混みを無理やりどかし、警官から勝手に拳銃を奪っていく男が1人ーーー
警官「ちょっと君!何処へーー」
彼は1人、炎に包まれている建物へと駆けて行くその後ろ姿は
🇬🇧「あれは…!!!」
1番大切だった。素晴らしい息子に育てたかった
でもうまくいかなかった。ずっと会いたかった…
🇬🇧「そんな…無茶です!やめなさい!戻りなさい!」
🇨🇦「もしかして…」
数十年ぶりに聞いた父親の声も今はいい
今はあいつを助けないと。そして大切な親父を追い落としたあいつを地獄へ落とすためにーー
ただ駆ける。炎が俺を遮ろうとしても
階段を急いで上がって行く。上の階に行けば行くほど煙が入って咳をしてしまう。ここまで
体が苦しい経験をしたのは初めてだ
途中途中苦しくなりながらも、ロシアとフランスがいる部屋にたどり着く
「ハァ…ハァ…」
🇫🇷「お?久しぶりじゃないか。アメリカくん」
ロ「…アメリカ!」
🇫🇷「元気してた?おっきくなったねー」
命の危機が迫っているというのに笑っているフランス。俺は確信した
親父の言っていたことは正しかったと
こいつが親父を追い落としたと
俺は静かな怒りを銃の構えに向ける
🇫🇷「へぇ…それで僕を殺すつもり?」
ロ「やめろ…こんな俺なんかのために命を散らすんじゃない!」
お前の言っていることも正しい
でも俺がこいつの口車に乗ってしまったせいで親父は苦しい日々を過ごす羽目になったんだ
俺の手でこいつとケリをつけなければならないんだ
「ロシア…俺を信じろ」
炎が後ろから迫ってくる中俺は集中して狙いを定める。チャンスは一度きりもし外したらロシアの命は終わりだ
迫りくる緊張の中、俺は銃弾を放った
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